薬局の「薬剤服用歴管理指導料 特定薬剤管理指導加算2」は、抗癌剤を使う外来化学療法加算1のAの算定患者が対象で、「連携充実加算」を算定している医療機関との連携が前提となる。連携充実加算は、医師の指示に基づき、薬剤師が治療の目的や進捗などを文書で提供し、患者の状態を踏まえて必要な指導を行った場合に月1回算定することができる。
また、医療機関で外来化学療法に関わる職員や地域の薬局薬剤師を対象とした研修会を少なくとも年1回実施することや、保険薬局等から患者のレジメンの相談に応じる体制整備などが要件となっている。
これを受ける形で、薬局における特定薬剤管理指導加算2は、文書で交付された癌患者のレジメン情報を活用し、副作用対策の説明や支持療法薬の服薬指導を行うと共に、調剤後に電話などで服薬状況、抗癌剤の副作用の有無を確認し、文書で医療機関に情報提供した場合に月1回算定できる。
薬剤師には、原則として医療機関のホームページでレジメンを閲覧し、予め薬学的管理等に必要な情報を把握することも求める。これらは改正薬機法に盛り込まれている「専門医療機関連携薬局」を想定した項目と見られる。
入院時のポリファーマシー解消も進める。薬剤総合評価調整加算について、2種類以上の内服薬を減薬した場合の評価を見直し、▽処方の総合的な評価および調整の取り組み▽減薬に至った場合――に分けた段階的な報酬体系とする。
また、入院前の処方薬内容に変更、中止などの見直しがあった場合、退院時に見直し理由や見直し後の患者状態を記載した文書について、薬局に情報提供を行った場合の評価として「退院時薬剤情報連携加算」を新設する。
同一薬局の利用も推進する。複数医療機関を受診する患者が同じ薬局を繰り返し利用することにより、処方薬の一元的・継続的な把握や重複投薬の解消をさらに進めるため、薬剤服用歴管理指導料の点数が低くなる規定について、再度の来局期間を現行の「原則6カ月以内」から「原則3カ月以内」に短縮すると共に、対象を調剤基本料1以外にも拡大する。
薬局の対物業務から対人業務への構造転換を推進するため、喘息患者に対し、医師の求めなどに応じて吸入薬の使用方法を指導した場合の評価として「薬剤服用歴管理指導料 吸入薬指導加算」を新設。文書説明に加え、練習用吸入器を用いた実技指導を行い、その指導内容を医療機関に提供した場合に算定できる。
経管投薬が行われている患者が簡易懸濁法を開始する場合に、薬局が支援を行った場合の評価として「経管投薬支援料」を新設。胃瘻や腸瘻による経管投薬、経鼻経管投薬を行っている患者や家族、医療機関から求めがあった場合に、簡易懸濁法による薬剤の服用に必要な支援を行えば初回に限り算定できる。
新たに創設される「薬剤服用歴管理指導料 調剤後薬剤管理指導加算」では、地域で医療機関と薬局が連携してインスリンなど糖尿病治療薬の適正使用を進めるため、地域支援体制加算の届出薬局が調剤後も副作用の確認や服薬指導を行い、結果を医師に情報提供した場合に評価を行う。
病院薬剤師の病棟活動を評価する「病棟薬剤業務実施加算」の算定要件も緩和する。現行の要件では、医療機関に2人以上の常勤薬剤師の配置を求めているが、週3日以上かつ週22時間以上の勤務を行っている複数の非常勤職員を組み合わせた常勤換算でも配置可能とする。