薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会の安全対策調査会は20日、持田製薬の中性脂肪異常改善薬「エパデールT」(一般名:イコサペント酸エチル600mg)のリスク区分について、現在の第1類に据え置く方針を決めた。2012年から約6年半の製造販売後調査の結果では重篤副作用は報告されなかったが、薬剤師による適正使用の確認を引き続き求める声が委員から上がったことを踏まえたもの。厚生労働省は、パブリックコメントを募った上で、来年3月に開催予定の安全対策部会でも審議する。
エパデールTは、健康診断で指摘された中性脂肪が正常値よりもやや高めの値を指す「境界領域」の中性脂肪値改善を効能・効果としている。現在のリスク区分は第1類で、付属のセルフチェックシートに患者が血液検査の結果や検査年月などを記入した上で、販売して問題ない患者かどうかを薬剤師が確認している。
今回の調査会では、12年12月~今年4月までの製造販売後調査期間が終了したことを踏まえ、適切なリスク区分を審議した。
特別調査では、下痢11件、腹部不快感6件、掻痒症5件など計63例84件が報告されたものの、重篤な副作用は報告されなかった。一般調査については、熱感2件、筋肉痛、消化不良、掻痒症、発疹、末梢性浮腫、血中トリグリセリド増加が各1件の計6例8件が報告されたが、特別調査と同様に重篤な副作用は見られなかった。
ただ、販売者による適正使用の確認を継続すべきなどの意見が委員から上がったことを踏まえ、調査会は現在の第1類のまま据え置くことが適当と判断した。