厚生労働省は19日、2018年度の保険医療機関と保険薬局の指導・監査等の実施状況を公表した。広島県の1薬局が保険指定の取り消し処分、2人が保険薬剤師の登録取り消し処分を受けた。また、大阪府の1薬局が保険指定の取り消し相当処分となった。指導・監査による調剤報酬の返還額は約2億円だった。
■厚労省 18年度指導監査
調剤報酬に関わる個別指導を実施した保険薬局は1739件、薬剤師は2657人、新規個別指導を行った保険薬局は2074件、薬剤師は3138人、集団的個別指導を行った保険薬局は4056件、適時調査を行った保険薬局は2件、監査を行った保険薬局は8件、薬剤師は18人だった。
保険指定取り消し処分となったのは、広島県の「あじさい薬局」で、調剤報酬の返還額は214万6000円。医師の診察を受けることなく、無資格者に不正な処方箋を作成させ、それに基づき調剤したものを保険調剤とし、調剤報酬を不正請求していた。同薬局は昨年10月24日付で保険薬局指定を取り消されている。
また、医科と歯科を合わせると44施設、84人に監査を実施し、指定取り消し相当を含めて21施設の指定と17人の登録を取り消した。指定取り消しは前年度から6施設減り、登録取り消しは1件減少した。
不正内容は、架空請求や付増請求など不正請求がほとんどを占めた。取り消し処分のきっかけは、保険者、医療従事者、医療費通知に基づく被保険者からの通報が17件と、取り消し件数の多数を占めた。
医療機関からの返還金額は約87億4000万円(指導で約32億8000万円、適時調査で約49億3000万円、監査で約5億3000万円)で、前年度より約15億4000万円増加した。内訳は、医科が約83億円、歯科が約2億円、薬局が約2億円。