国内総生産(GDP)に対する研究費の比率は、前年度比0.08ポイント増の3.56%と上昇した。研究費の内訳を見ると、企業が14兆2316億円で研究費全体に占める割合は72.9%と最も大きい傾向は変わらなかった。大学等は3兆6784億円で18.8%、非営利団体・公的機関は1兆6160億円で8.3%を占めた。前年度比で企業が3.1%増、大学等が1.0%増、非営利団体・公的機関が0.4%増と引き続き増加した。
企業の研究費を産業別に見ると、医薬品製造業が1兆4047億円で前年度比4.1%の減少となったが、輸送用機械器具製造業に次ぐ2番目を維持した。
売上高に対する研究費比率を見ると、医薬品製造業が11.05%と全製造業の中で最も高い傾向は変わらず、前年度に比べ0.05ポイントとわずかな減少に転じたもののほぼ横ばいとなった。
全製造業では、売上高に対する研究費比率は3.39%と0.09ポイントのわずかな増加に転じた。医薬品製造業では研究費比率がほぼ横ばいで推移し、引き続き売上の1割を新薬の研究開発に積極的に投資している状況が続いている。
企業の自然科学に使った研究費を性格別に見ると、開発研究費が10兆7410億円、応用研究費が2兆3435億円、基礎研究費が1兆1117億円となった。前年度に比べて基礎研究費は3.0%の減少に転じたが、開発研究費は3.1%の増加、応用研究費は6.4増と4年ぶりに増加した。
製造業全体の基礎研究費は9860億円(8.0%)となっているが、その中で医薬品製造業は2560億円(18.2%)と、引き続き自然科学研究費の2割近くを創薬などの基礎研究に投入しており、基礎研究への投資が農林水産業などに次ぐ高い水準にあった。
一方、今年3月31日現在の研究者数を産業大分類別に見ると、製造業が44万1500人で全体の87.5%を占めた。医薬品製造業の研究者は、2万1800人と前年度に比べて500人(2.2%)減り、3年連続の増加から再び減少に転じた。
全産業の研究者1人当たりの研究費は2820万円と、前年度比で1.9%増加。産業別研究者1人当たりの研究費は、医薬品製造業が6435万円と最も多くなったが、前年度に比べて2.0%減少した。