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【中医協総会】「フォーミュラリー」評価に反対論-経済性重視を警戒、不信根強く

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2019年12月16日 AM10:15

中央社会保険医療協議会総会は13日、2020年度診療報酬改定に向け、高度な医療を提供する特定機能病院でのフォーミュラリー(使用ガイド付き医薬品集)作成の評価をめぐって議論した。診療側の医師委員からは、安定供給の懸念や使用医薬品が制限されることを不安視する反対意見が続出。一方、支払側委員は、安全性や経済性にメリットがあるとし、評価に賛同した。後発品使用体制加算の評価項目の一部としてフォーミュラリーを要件化するなど、条件付きで評価すべきとの声も上がった。

既に一部の医療機関では、医薬品の適正使用などの観点からフォーミュラリーを採用しているが、日本病院薬剤師会の調査結果によると、フォーミュラリー作成に取り組んでいる特定機能病院は21.3%にとどまるのが現状である。

この日の総会で厚生労働省は、フォーミュラリーを試行的に進めるために、特定機能病院でフォーミュラリーを作成した場合の評価を論点に示した。

診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、「大量に採用している薬剤がメーカーによる回収や急な市場撤退があった場合、卸が速やかに納入できるのか。経済性を重視した薬剤選択が特定機能病院に期待されているのか」と疑問を投げかけ、「現時点では診療報酬と結びつけることに反対」と反対論を展開。

猪口雄二委員(全日本病院協会会長)も「在庫をうまく調整するなど経営的な面がどうしても入ってきてしまう。診療報酬での評価は注意して検討すべき」と慎重姿勢を示した。

今村聡委員(日本医師会副会長)は「作成のルールが明確でない中で、経済原則だけを進めると使用できる薬剤がかなり制限される。患者さんには様々な病態がある。何でも経済原則という考えで作成を進めることは違う」と反対意見に同調した。

一方、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「薬物療法の安全性向上や経済性に優れた処方の促進など、医薬品の効率的で安全な使用を進める観点から診療報酬で評価すべき」と賛成を表明。

薬剤師の立場から、有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)も「質と安全性の高い薬物療法を効率的に行うためにも有用であり、評価の検討に賛同する」とした。

ただ、「しっかりとした薬物療法を提供できる仕組みにすべき」と注文をつけ、フォーミュラリー作成を後発品使用体制加算など既存項目の一部としての要件化を提案した。

支払側の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は、「体制整備やフォーミュラリー運用の標準的なあり方などを十分に検討した上で、評価を考えるべき」との考えを示した。

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