姉妹に乳がん罹患者がいる女性約5万人の調査から
アメリカ国立衛生研究所(NIH)は12月4日、乳がんの発症リスクを高める要因として、ストレートパーマや髪の毛のカラーリングが挙げられることを見出したと発表した。この研究はNIHのEnvironment and Cancer Epidemiology Groupが行ったもの。研究成果は、「International Journal of Cancer」に掲載されている。
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ヘアカラーとがん発症の因果関係については、長年研究されてきたが、未だ解明されていなかった。今回検証に用いたデータは、NIHが主導した過去の調査「SISTER STUDY」で得られたもの。この調査は2003~2009年に米国とプエルトリコで行われ、35~74歳までの女性で、乳がんを患っている姉妹がいる4万6,709人を対象としたものだった。
ヘアカラー、ストレートパーマを高頻度で施す女性は発症リスク増
解析の結果、ヘアカラーを行う頻度が高い女性は、ヘアカラーを行わない女性と比較して、乳がんの発症リスクが9%高いことがわかった。詳細に分析すると、アフリカ系アメリカ人の女性で5~8週の間隔でヘアカラーを行っていたグループでは60%も発症リスクが高いことが判明。同様に白人系では8%上昇していた。一方、ヘアカラーの頻度が少ない、もしくは部分染めによる影響は大きくないという。
また、興味深いことに、化学的薬剤を用いたストレートパーマと乳がん発症に関連があることも判明した。ストレートパーマを5~8週間隔で施した女性では、乳がん発症リスクが30%高かった。また、アフリカ系アメリカ人と白人の女性では、ストレートパーマによる影響は同程度のものだったが、ストレートパーマを施す頻度はアフリカ系アメリカ人の方が高かった。
今回、統計的には関係性が示されたが、他の調査とも照らし合わせてさらに検討する必要がある。「さまざまな乳がんの発症要因がある中で、女性はヘアカラーやストレートパーマをすぐにやめるべきかというと、そこまでは言えないが、乳がん発症リスクを低減させるために控えるようにるすことは有効であると推測される」と、研究グループは述べている。