中央社会保険医療協議会薬価専門部会は6日、次期薬価制度改革案について製薬業界から意見聴取した。業界団体の日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)は、新薬創出等加算の見直しについて「革新的新薬の創出に取り組んでいる企業は、対象品目の薬価が維持される区分Iにすべき」と主張。再算定ルールの見直しについても「企業の予測可能性を低下させる」として反対を表明した。
日薬連の手代木功会長は、新薬創出等加算の見直しについて、「革新的新薬の創出に取り組んでいる企業は、対象品目の薬価が維持される区分Iにすべき」と要望。後発品薬価に関しては、「安定供給の面から初収載薬価は見直すべきでない」と先発品の5割維持に賛同した一方、価格帯の集約で薬価が大幅に引き上がることを抑えるため、「現行の3価格帯に集約する場合、後発品上市後12年経過した際に1価格帯に集約する場合は価格帯の増加を含め、集約方法を見直すべき」と注文をつけた。
PhRMAのクリストファー・フウリガン在日執行委員会委員長は、再算定のルール見直しに言及し、「革新的医薬品の継続的な引き締めは予測可能性を低下させ、新薬開発や適応追加の力も低下させる」と懸念を示し、見直しに反対を表明。さらに、「薬価ルールの定期的変更は企業の予測をより保守的にし、日本への投資を呼び込むのが困難となる」と訴えた。
類似薬効比較方式Iで算定された新薬が比較薬の累積加算額を算定時に控除されることに対して、EFPIAのトーステン・ポール副会長は、患者の治療選択肢を狭めることを懸念し、反対意見を表明した。
これについて、診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は「薬剤費のあり方を考えると、新たに登場する新薬の特性に応じて適切なルール修正は、国民皆保険制度を維持するためにも必要」と反論した。
また、新薬創出等加算の見直しについて、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は「全てを区分Iに集約すると、新薬開発の企業間競争を後退させるので妥当ではない」と反対。「企業区分が相対評価であることが競争意欲を後退させている。競争を促す観点から、絶対評価にすべき」と要望した。