厚生労働省は4日、医療用医薬品の現行薬価と市場取引価格の開きを示す平均乖離率が、今年9月取引分で約8%だったとの薬価本調査の速報値を、中央社会保険医療協議会総会に報告した。医薬品卸大手4社による談合疑惑に関わる一部の販売データを除外して算出する異例の調査となり、消費税率引き上げに対応するために実施した昨年調査に比べて薬価の開きは0.8ポイント拡大。前回2017年調査に比べると1.1ポイント縮小した。流通安定のための調整幅2%を差し引くと、市場実勢価に基づく薬価引き下げ率は約6%となる(表参照)。
■薬価調査、速報結果を報告
今回の調査は、今年9月取引分を対象に販売サイドから11月5日までに報告があった取引価格を集計。独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会の立入検査を受けた医薬品卸大手4社による地域医療機能推進機構への販売データについては、「適正な市場価格を把握する観点」から除外して乖離率を算出した。
市場規模の大きい主な薬効群別の乖離率を取引金額上位で見ると、内用薬は「高脂血症用剤」が13.9%で最大の乖離率となり、「血圧降下剤」13.4%、「消化性潰瘍用剤」12.3%、「精神神経用剤」10.0%の順に続き、内用薬全体では9.2%だった。