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フォシーガ、左室駆出率が低下した心不全対象P3試験の追加解析で一貫した効果-英AZ

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2019年12月05日 AM11:45

2型糖尿病合併の有無に関わらず、全てのサブグループで一貫した結果

英アストラゼネカ社は11月17日、SGLT2阻害剤フォシーガ(一般名:)の第3相DAPA-HF試験の5つの追加解析より、同剤の標準治療への追加は、プラセボと比較して、主要複合評価項目の入院または緊急受診と定義される心不全の悪化、あるいは心血管(CV)疾患を原因とする死亡の発現リスクを低下させることを示唆したと発表した。これらのデータは、米国心臓協会(AHA)学術集会で発表された。

DAPA-HF試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらず、左室駆出率が低下した(LVEF40%以下)(HFrEF)患者を対象に、(10mg、1日1回)を心不全の標準治療に追加投与した場合の効果を、プラセボと比較評価した国際多施設共同並行群間無作為化二重盲検比較試験。新たな追加解析により、2型糖尿病合併の有無に関わらず、全てのサブグループで、効果の早期発現および心不全に関連する健康状態についての患者報告アウトカムにおける改善など、一貫した結果が示された。

糖尿病非合併サブグループ解析、フォシーガ投与で主要複合評価項目の相対リスク27%低下

5つの解析全てにおいて、フォシーガは、プラセボと比べて、心不全の悪化または進行における改善、および、患者報告による症状と生活の質の改善が示唆された。

DAPA-HF試験の糖尿病非合併群におけるサブグループ解析結果では、2型糖尿病非合併のHFrEF患者において、フォシーガはプラセボと比べて主要複合評価項目のリスクが低下していた。同解析では、2型糖尿病非合併サブグループの主要複合評価項目とその構成要素、および副次評価項目を評価。心不全の悪化またはCV死の主要複合評価項目の相対リスクは、フォシーガ投与の糖尿病非合併群で27%低下(絶対リスク9.2%vs12.7%,n=2,605;ハザード比0.73;95%信頼区0.60,0.88)、フォシーガ投与の糖尿病合併群で25%低下した(14.6%vs.19.4%,n=2139;ハザード比0.75;95%信頼区間0.63,0.90)。全ての構成項目が全体的な結果に貢献した。

DAPA-HF試験におけるカンザスシティ心筋症質問票(KCCQ)による治療効果の評価では、HFrEF患者における心不全による健康状態(心不全に伴う症状、身体的制限、生活の質)に対するフォシーガの効果をKCCQで評価。フォシーガ群のKCCQ総合スコアは4か月目に改善を示し、8か月目にはさらに大きな改善を示したという。フォシーガ群で大幅な悪化(5点以上の低下)を示した患者は少なく、多くの患者でKCCQ総合スコアの臨床的に意義のある改善(軽度[5点以上の増加]、中程度[10点以上]、大幅[15点以上])が見られた。KCCQの症状スコアは0~100であり、スコアが高いほど心不全に伴う症状や身体的制限が少なく、5点以上の変動が見られた場合、臨床的に意義があるとされている。

事後解析では、4週間で心不全の悪化またはCV死の複合リスク低減

DAPA-HF試験の事後解析である、心不全患者におけるフォシーガによる臨床的ベネフィット発現のタイミングの解析では、フォシーガのHFrEF患者さんにおける臨床的ベネフィットの発現時期をプラセボと比較検討。その結果、フォシーガ群ではプラセボ群と比較して、4週間で、心不全の悪化またはCV死の複合リスクの低減がみられた。

DAPA-HF試験における年齢による治療効果についてのサブグループ解析では、フォシーガがHFrEF患者の年齢を問わず、治療アウトカムに貢献する可能性を示した。フォシーガ群とプラセボ群を比べて、副作用や投与中止に対する年齢の明らかな影響はなかったとしている。

DAPA-HF試験における左室駆出率の治療への影響についてのサブグループ解析では、フォシーガ群では、プラセボ群と比較して、幅広い左室駆出率(LVEF)の患者において一貫した効果を示した(主要複合評価項目に対する交互作用のP値=0.205)。LVEFは心不全の死亡率および入院の予測因子だ。

現在、日本国内におけるフォシーガの適応は2型糖尿病および1型糖尿病であり、HFrEFに対する適応はない。

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