厚生労働省は18日、今年3月から4カ月間の「患者からの医薬品副作用報告」の症例数が83件だったことを、薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会で初めて公表した。医療用医薬品78件、要指導・一般用医薬品5件のうち、後遺症や死亡などが認められたのは47件。医療用医薬品では精神神経用剤、催眠鎮静剤・抗不安剤、要指導・一般用医薬品では解熱鎮痛消炎剤、耳鼻科用剤の順に報告件数が多かった。
今回は、患者・家族から副作用報告の受付を開始した3月26日~7月31日までに医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告された症例を対象としている。
薬効分類別に見ると、医療用医薬品では、精神神経用剤31件、催眠鎮静剤・抗不安剤31件、抗てんかん剤7件の順に多かった。
要指導・一般用医薬品では、解熱鎮痛消炎剤3件、耳鼻科用剤と痔疾用剤が各1件の順だった。内訳を見ると、解熱鎮痛消炎剤では蕁麻疹、多汗症、アナフィラキシーショックが各1件、耳鼻科用剤では咽喉乾燥が1件、痔疾用剤では高体温症が1件だった。
症例数83件のうち、「回復していない、後遺症がある、死亡した」と報告されたのは47件で、半数以上を占めた。
■「トリメブチン」の第2類移行を了承
一方、この日の部会では、田辺三菱製薬の過敏性腸症候群(IBS)改善剤「トリメブチンマレイン酸塩」(製品名:セレキノンS)のリスク区分について、第1類から第2類に移行することを了承した。診断や治療の有無などを患者が記入するセルフチェックシートの確認徹底を条件とした。厚労省は、通知を発出して周知したい考え。
同剤は、IBSによる腹痛、下痢、便秘等の症状緩和を効能・効果としている。
8月の安全対策調査会では、委員から安全性・有効性の面でリスク区分の移行に否定的な意見は上がらず、薬剤師等によるチェックシートの確認徹底を条件に了承していた。
この日の部会でも、委員からチェックシートの確認を求める声が相次いだことを踏まえ、チェックシートの確認を条件にリスク区分の移行を了承した。