洞調律かつ投与開始時の安静時心拍数が75回/分以上の患者対象
小野薬品工業株式会社は11月19日、HCN(Hyperpolarization-activated cyclic nucleotide-gated:過分極活性化環状ヌクレオチド依存性)チャネル遮断薬「コララン(R)錠」2.5mg、5mg、7.5mg(一般名:イバブラジン塩酸塩、以下、イバブラジン)の発売を発表した。効能・効果は、洞調律かつ投与開始時の安静時心拍数が75回/分以上の慢性心不全で、β遮断薬を含む慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限られている。
画像はリリースより
慢性心不全は、心不全状態が慢性的に続くもので、国内の患者数は2020年には120万人に達すると推計されている。心臓が十分な血液量を拍出できないことを補うために心拍数が高くなる傾向にあり、それが長期に渡り継続すると、心臓にさらに負担がかかる。また、高い心拍数は慢性心不全患者の予後に悪影響を及ぼすことが知られている。
現在、慢性心不全に対しては患者の症状コントロールや入院予防、死亡の回避を目的に、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬、β遮断薬、抗アルドステロン薬、利尿薬等の治療薬が使用されている。
心拍数のみを減少させる作用、世界124の国・地域で承認
イバブラジンは、仏セルヴィエ社創製で、心臓の洞結節に発現するHCNチャネルという、心臓のペースメーカー電流である過分極活性化陽イオン電流(If)を阻害することで、心拍数を減少させる新規作用機序を有する経口剤。心臓の伝導性、収縮性、再分極および血圧に影響することなく心拍数のみを減少させる作用を有する。同薬は世界124の国または地域で承認されており、そのうち116か国において慢性安定狭心症および慢性心不全の両適応で承認されている。
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