厚生労働省は18日、2020年度診療報酬改定基本方針の骨子案を社会保障審議会医療部会に示した。医師の負担軽減を図る働き方改革推進を「重点課題」に位置づけ、タスクシェアリングやチーム医療の推進などに注力する。院内薬剤師業務の適切な評価も盛り込んだ。また、安全な医療を提供するためにかかりつけ薬局・薬剤師の評価推進に取り組むことなども明記した。
骨子案は、▽効率化・適正化を通じた制度の安定性、持続可能性の向上▽患者・国民にとって身近で、安心・安全で質の高い医療の実現▽医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進▽医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進――の4項目で構成。
24年度から医師の時間外労働の上限規制が適用されることなどから、重点課題に位置づけられた医師等の働き方改革推進に関しては、タスクシェアリング・シフティング、チーム医療の推進を明記。業務の効率化に役立つICTを活用した医療連携の取り組みも進めることを盛り込んだ。
効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上については、後発品の使用割合80%を20年9月までに達成するための取り組みを推進すると共に、バイオ後続品の使用促進策を検討するとした。
重複投与、ポリファーマシー、残薬への対応など、医薬品の効率的で安全、有効な使用にも取り組む。
国民にとって安心・安全で質の高い医療の実現では、薬物療法の有効性・安全性を確保するため、服薬情報の一元的・継続的な把握、薬学的管理・指導が行われるようかかりつけ薬剤師・薬局の評価を推進すると明記。対物業務から対人業務への構造的な転換を進めるための重点化と適正化を行うとしたほか、院内薬剤師業務の適切な評価も盛り込んだ。
医薬品におけるイノベーションを含めた先進的な医療技術の適切な評価も実施するほか、離島・僻地などのニーズに応えるため、医療におけるICTの利活用を適切に評価するとした。
医療機能の分化、強化、連携と地域包括ケアシステムの推進については、医療機関と薬局の連携、地域包括ケア推進のための医師・薬剤師などによる多職種連携、協働の取り組みを進めることとした。