HIVは「死に至る病である」と7割が回答
ギリアド・サイエンシズ株式会社は11月18日、HIV感染症に関する20~50代の日本人500人を対象とした意識調査結果を発表した。この調査は、同社と公益財団法人エイズ予防財団が共同で実施した。
男性232人、女性268人が2019年4月にインターネットで回答。年代ごとに125人が参加した。回答者の約半数(52.4%)が「HIVについて正しく理解している」と回答。一方で、HIV陽性者(PLWH:People Living With HIV/AIDS)の余命は非感染者と変わらなくなってきているという報告がいくつか発表されているにも関わらず、回答者の大多数(71.8%)が未だにHIV感染症は死に至る病というイメージを持っていることが明らかになった。また、回答者の83.9%がHIV検査を受けたことがないこともわかった。結果の概要は下記の通り。
・HIVに関する知識を持っていますか?(n=500)
はい52.4%、いいえ47.6%
・HIVについて、学校、講演会、書籍などで学んだことはありますか?(n=500)
はい32.8%、いいえ67.2%
・HIVは「死に至る病である」と思いますか?(n=500)
はい71.8%、いいえ28.2%
・HIVの検査を受けたことはありますか?(n=500)
はい16.1%、いいえ83.9%
・HIVの検査を受けてみたいと思いますか?(n=338)
はい37.6%、いいえ62.4%
・HIV検査を受けたことがない理由(n=338)※複数回答
必要と感じていないから66.6%
どこで受診すればいいかが分からない17.2%
検査の内容が分からない13.9%
HIV治療、正しい服薬で非感染者と近い余命が期待される
同社の代表取締役社長ルーク・ハーマンス氏は、「今回の調査結果を受けて、HIV治療の現状と理解に乖離があることが明らかとなった。弊社では今後もHIV感染症について啓発をしていくとともに、日本に約29,000人いるといわれるHIV陽性者の治療やQOLを改善していくために全力を注いでいきたい」と、述べている。
また、エイズ予防財団の白阪琢磨理事長は、「HIV検査および治療について、正しい知識をさらに啓発していかなければならない。日本におけるHIV感染率は高くはないが、HIV検査を受けることはすべての人にとって重要だ。近年HIV治療は飛躍的に進歩し、陽性と診断されたとしても、1日1錠の服薬治療で、非感染者と近い余命を期待できるようになった。また、HIV検査に関する正しい知識を広めることも重要であり、匿名で検査が受けられ、プライバシーが守られるための取り組みが行われていることを知ってもらい、安心して検査を受けていただきたい」と、述べている。
実際の検査の内容や所要時間、どこで検査が受けられるかなどの情報は、ウェブサイト「HIV検査相談マップ」に掲載されている。
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・ギリアド・サイエンシズ株式会社 プレスリリース