岡山大学病院薬剤部と木村情報技術は、共同で開発した人工知能(AI)搭載型医薬品情報管理プラットフォーム「アイファルマ」の本格運用を、来年7月をメドに開始する。全国の病院薬剤師や薬局薬剤師などに開放して利用を促す。医師から受けた医薬品の質問をAIが解析し、薬剤部が蓄積してきたQ&Aデータベースの中から最適な回答を提示するのが基本的な機能となる。「アイファルマ」の本格運用時には、添付文書や相互作用・配合変化情報など、様々な情報源からAI等が回答を示す機能を加える。ユーザーの基本利用料は無料とし、運用必要経費は連携する製薬企業から得る体制を作る考えだ。
同院薬剤部は、昨年4月から「アイファルマ」の試験運用に着手。使用性の検証や向上、機能の充実などに取り組んできた。今年10月には木村情報技術の支援を受け、薬剤部内に人工知能応用メディカルイノベーション創造部門を発足。薬剤部の神崎浩孝氏を部門長に抜擢し、他施設への水平展開や機能拡張を進める体制を強化した。検証を経て運用のメドが立ったことから、全国の病院や薬局に開放することになった。