QOLに深刻な影響を与える発症機序不明の炎症性皮膚疾患
アッヴィ合同会社は9月26日、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ(R)」(一般名:アダリムマブ(遺伝子組換え))の壊疽性膿皮症(PG)について、厚生労働省より日本での希少疾病用医薬品の指定を取得したことを発表した。
PGは、発症後、急速に進行する炎症性皮膚疾患。潰瘍型、水疱型、膿疱型、増殖型の4つの臨床タイプに分類される。最も多い潰瘍型PGでは、下肢、特に下腿にできた発疹が時間の経過とともに膿瘍を形成し、皮膚組織が欠損する潰瘍化に至り、遠心性に拡大する。潰瘍とともに強い疼痛を伴うこともあり、QOLへの深刻な影響が明らかになっている。
また、PGは再発を繰り返す疾患でもあり、潰瘍が治癒した後も長期に通院や治療を継続する必要がある。発症機序はまだ明らかになっていないが、注射、針反応やカテーテル挿入といった医原性または外科的手技が原因となり発症することもある。患者は50~70代に多く、日本における発生率は3人/100万人・年と報告されている。
承認されれば、世界で初めてPGの適応をもつ医薬品に
ヒュミラは、日本において「関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬・関節症性乾癬・膿疱性乾癬・強直性 脊椎炎・多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎・化膿性汗腺炎・腸管型ベーチェット病・非感染性の中間部、後部又は汎ぶどう膜炎・中等症又は重症の活動期にあるクローン病の寛 解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)・中等症又は重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)」に係る効能・効果の承認を取得している。
現在日本では、ヒュミラのPGの適応について、第3相臨床試験が実施中。その安全性および有効性は確立されていない。PGへの効能・効果が承認されれば、同剤が世界で初めて適応をもつ医薬品となり、PGが日本において同剤の12番目の適応症となる。
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・アッヴィ合同会社 プレスリリース