実際の吸気とモニター部の表示に乖離が生じる場合があるため
帝人ファーマ株式会社は10月29日、同社が取り扱っている酸素濃縮装置「ハイサンソi」を自主回収すると、同社のウェブサイトで公表した。回収対象製品は、2019年3月29日~2019年6月27日に出荷された、「ハイサンソi」1,832台。
ハイサンソiは、周囲の空気から窒素を分離することにより、酸素濃度の高い空気を作り出し、あらかじめ設定された流量で供給することを目的とした製品。同製品は患者の吸気を検知して積算することにより、本製品のモニター部に自己管理の指標である「推定吸入時間」を表示する機能を有しているが、患者によっては吸気が検知しづらく、結果として患者の実際の吸気とモニター部の表示に乖離があることが確認された。
調査の結果、ソフトウェアの吸気検知のアルゴリズムに原因があることが判明したが、吸気を正確に検知できていない状況下においても、酸素濃度と流量は適切に供給され、治療の継続が可能であり、酸素濃縮装置としての有効性および安全性は確保されているとしている。しかしながら、医療関係者および患者に不安や誤解を生じさせないため、同製品の自主回収を実施することにしたという。
表示によらず酸素濃度と流量は適切に供給、健康被害報告なし
同製品は吸気を正確に検知できていない状況下においても、酸素濃度と流量は適切に供給され、治療の継続が可能であり、酸素濃縮装置の有効性および安全性は確保されていることから、重篤な健康被害の恐れはまず考えられない状況であると、同社は判断している。また、同社はこれまでに当該不具合による健康被害の報告を受けていない。
同製品の納入先は全て特定できているため、通知のうえ回収作業を実施するとしている。同社は、「本製品をご使用の患者様、ならびに医療関係者各位には、大変ご心配、ご迷惑をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます。今後はこのようなことがないよう再発防止と、一層の品質向上に努めてまいります。何卒、ご理解、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」と、述べている。
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