就寝時間の差などを考慮し、ウエストサイズ、体脂肪で比較
米国立衛生研究所(NIH)は、夜更かししがちな10代女子について、早く寝る10代女子と比べて、体重が増えやすい傾向にあるという研究結果を公表した。この研究は、米カイザー・パーマネンテ社とその他研究機関が共同で行ったもの。研究成果は、「JAMA Pediatrics」に掲載されている。
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研究グループは以前に、夜更かししがちな成人は、平日と週末の就寝時間の差「ソーシャル・ジェットラグ」が大きく、体重が増加する可能性が高いことを明らかにしていた。そのため、今回の研究によるデータ取得後、子どもたちの平日と週末の就寝時間の差を推定。同じ関連が若者に見られるかどうかを検討した。
夜更かしをした女子のウエストは平均0.58cm増加
今回研究グループは、12〜17歳の男女804人(男子386人、女子418人)を対象に調査を実施。参加した子どもたちは、睡眠習慣に関するアンケートに回答し、「アクチグラフ」と呼ばれる時計型の装置を5日間以上着用した。この装置は、利き腕ではない腕や足首に着ける時計型加速度センサーで、自動的に人間の活動や休止リズムサイクルを記録できる。さらに、骨密度測定検査などに用いられるDXA(dual-energy x-ray absorptiometry)法でウエストサイズを測定、体脂肪を計算した。
その結果、夜更かしの女子はそうでない女子に比べ、ウエストサイズは平均0.58cm、体脂肪は0.16kg /㎡、それぞれ増加していた。さらにソーシャル・ジェットラグを考慮して比較すると、平日と週末の就寝時間の差が1時間開くごとにウエストサイズは1.19 cm、体脂肪は0.45 kg /㎡増加していた。これらのデータを、睡眠時間や食事、身体活動、テレビ視聴時間など、体重に影響すると知られている要因について統計学的に調整したところ、夜更かしとウエストサイズや体脂肪の関連性は減少したものの、関連なしにはならなかった。一方、男子のウエストサイズと体脂肪には、わずかな関連性は確認されたが、統計的に有意ではなかった。「睡眠時間の管理は、小児から青年期の特に女子で、肥満の予防に役立つ可能性がある」と、研究グループは述べている。
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