医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > プレミアム > 【中医協総会】医療機関・薬局連携で議論-内容整理や要件化など注文

【中医協総会】医療機関・薬局連携で議論-内容整理や要件化など注文

読了時間:約 1分40秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年10月28日 AM10:19

中央社会保険医療協議会総会は25日、2020年度診療報酬改定に向け、「医療機関と薬局の連携による業務の効率化」について議論した。薬局から医療機関への問い合わせを簡素化する取り組みを進めることに対して、医療者の負担軽減や患者の待ち時間短縮の観点から理解を示す声が委員から一定数上がった一方、「特定の薬局への誘導禁止に抵触する可能性があるので、何らかの評価をすることは賛成できない」「最低限の内容を整理、要件化して促進するステップを踏むべき」など、注文が相次いだ。

一部医療機関では、疑義照会などの業務負担軽減を目的に、薬局と取り決めを結んで処方医への事前確認が不要な項目を設定しているケースが見られる。

これを踏まえ、医療者の負担軽減や患者の待ち時間短縮の観点から、薬局から医療機関への問い合わせを簡素化する取り組みを進めることについて、診療側の有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)は「簡素化を導入することは特段、否定しない」としつつ、「1医療機関に対して1薬局という形ではなく、地域の中で複数の薬局と医療機関が取り決める形にしないと必要なチェックができない。必要以上に取り決めを簡素化しすぎて患者の安全性、信頼を担保できなくなる」と指摘した。

松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は「療養担当規則で定められている、特定の薬局への誘導禁止に抵触する可能性があるのではと懸念する。業務の効率化を図る趣旨は理解するが、それに対して何らかの評価をすることは現時点では賛成できない」と、否定的な考えを示した。

松本氏の懸念に対して、厚生労働省の田宮憲一薬剤管理官は「保険薬局の情報を網羅的に患者に伝えているのであれば、特定の薬局への誘導にはあたらない。患者への説明では、特定の保険薬局で調剤を受けるべきと指示していると受け取られないよう、留意する必要がある」と回答した。

支払側の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は「具体的な取り決め内容によっては、期待していた効果を患者が得られない場合もある」と述べた上で、「取り決め内容を医療機関と薬局の裁量に委ねることは非常に危ない考え方だ。最低限の内容を整理、要件化して促進するステップを踏むべき」と訴えた。

今村聡委員(日医副会長)は、「医療機関、薬局の数と関係は地域によって様々だ。一律に日本中で同じ要件にするのはどうかと思う」と述べた。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 プレミアム 行政・経営

  • 【PMDA】コロナ薬投与で注意喚起-妊娠可能性ある女性に
  • 【薬価部会】不採算品再算定、対象絞り込みを-25年度中間年改定
  • 【厚労省調査】敷地内薬局、専門連携の1割-処方箋集中率は93.1%
  • 【臨試協調査】外資が日本を第I相拠点に-国内実施のメリット認識か
  • 【NPhA】半数以上が後発品を選択-長期品選定療養に一定効果