近年は冬季以外も流行、重篤な呼吸障害を起こすことも
大塚製薬株式会社は10月16日、感染症分野の体外診断用医薬品、RSウイルスキット「クイックナビ(TM)‐RSV2」を11月12日から全国の医療機関向けに販売すると発表した。同製品は、従来品である「クイックナビ(TM)‐RSV」の使用感、性能面をさらに向上し、RSウイルス(RSV)感染症をより迅速かつ明瞭に検出できる検査キットだ。
画像はリリースより
RSVは、乳幼児の呼吸器感染症で最も頻度の高い原因ウイルス。RSVによる感染症は、通常冬季に流行するが、近年は夏から始まり冬季以外にも流行がみられる。生後1歳までに半数以上、2歳までにほぼ100%が初感染を受け、下気道感染症(細気管支炎、肺炎など)により重篤な呼吸障害を起こすこともあるため、乳幼児の感染には注意が必要である。
判定時間を8分→5分に短縮、赤青2色のラインで視認性向上
「クイックナビ‐RSV2」は、RSV感染を検出できるイムノクロマト法による迅速検査キット。鼻腔から採取した検体を用いてデバイス上のラインの発色で判定する。最小検出感度が向上し、従来品の8分に比べ、判定時間が5分とよりスピーディーになった。また、テストラインに赤色のRSV抗体結合ラテックス、コントロールラインに青色のコントロール蛋白結合ラテックスを採用することで、従来品の青色のみと比較してテストラインの識別も容易になっているという。
同キットは、検体中のウイルス抗原を抽出するための検体浮遊液および試料ろ過フィルターが、同シリーズのインフルエンザウイルスキット「クイックナビ‐Flu2」と共通であり、同一試料でRSウイルスとインフルエンザウイルスの検査を実施することができる。大塚製薬は、クイックナビシリーズのラインアップを拡充し、迅速かつ適切な診療に寄与していきたいと述べている。
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