調査は今年3~4月に、薬局を中心とした593施設の薬剤師らを対象に実施した。日本地域薬局薬学会の会員140人、無作為に抽出した全国の保険薬局262施設の薬剤師、調査協力を得た191施設の薬剤師を対象に設定し、404人から回答があった(回答率68.1%)。回答者の81%は薬局薬剤師、11%は病院薬剤師、3%は大学教員だった。
調剤補助者の必要性を聞いた結果、回答者の77%が「必要」、19%が「不必要」と答えた。回答者の薬局や病院薬剤部で従事するスタッフの職種を聞いたところ、27.5%の施設には調剤補助者が存在していた。約3割の施設は必要性を実感し、既に調剤補助者を活用しているが、存在しない施設でも多くが調剤補助者を必要と考えていることが明らかになった。
調剤補助者に期待する支援内容として回答割合が高かったのは、「計数調剤医薬品の取り揃え」91.6%、「薬袋・ラベル作成」85.5%、「医薬品の在庫管理」75.9%、「分包薬のラインマーク」71.7%、「錠剤・カプセル剤の脱ヒート」66.9%、「計数医薬品の充填」54.0%、「錠剤の半割や脱カプセル」50.2%などだった。
一方、調剤補助者が必要な理由として回答割合が高かったのは「服薬指導」91.3%、「薬歴作成」66.9%、「在宅医療」54.3%、「健康相談」50.8%、「医師への処方支援」46.3%などだった。これらの業務に費やす薬剤師の時間を確保するために、調剤補助者を必要としていることが分かった。「薬剤師の人材確保が困難」(47.3%)や「人件費削減」(34.1%)も理由に上がった。
適切と考える調剤補助者の職種については「技能職」41%、「事務職」27%、「特別な職種は必要なし」32%と意見が分かれた。具体的な資格としては「必要としない」(30%)や「研修終了者に対する認定」(23%)、「認定と研修の継続」(16%)という意見が多く、「都道府県知事免許」(22%)や「国家資格」(9%)を必要とする声は少数だった。
調剤補助者の制度を導入するために必要な事項としては、▽研究・教育▽調剤の安全性の確保▽法整備▽技術の確保――を求める声が多かった。
欧米には調剤補助者が存在し、薬剤師の業務を支援している。日本でも厚生労働省が今年4月に通知を発出して、非薬剤師が行うことができる業務の基本的な考え方を提示するなど、調剤補助者を活用する環境は整備されつつある。
調査を実施した佐川氏は「薬剤師が実施すべき業務は増えるばかりで手が足りないのが現状。地方では特に薬剤師が不足している」と指摘。「本来の薬剤師の役割を果たすために、機械化や調剤補助者の導入などによって、どのように業務を効率化するかが問われている」と話している。