新薬創出等加算の対象となる、革新性・有用性のある品目の範囲について、診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は「真に革新性・有用性があるという観点で見ると、先駆け審査指定制度の対象品目であれば該当すると思う」と述べた。
支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)も「加算の趣旨を踏まえれば、先駆け対象品目は革新性を持っている。対象として検討する余地がある」と同調する一方、「開発公募品目は品目と企業要件の両方で評価されているが、希少疾病用医薬品は、企業要件では評価されない。何を基準に各要件で評価されるのか、しっかりと整理すべき」と指摘した。
幸野氏は、企業要件や企業指標のあり方についても言及し、「現在の企業区分は相対評価であり、区分IとIIの割合が93%を占めるが、これは指標として違うと思う。相対評価のあり方は見直すべき」とした。その上で、「新規収載品に占める加算対象品目は、加算係数が高い区分IよりIIの方が多い。有用性加算の対象品目も区分IIの方が多い現状を見ると、制度設計は見直すべき」と訴えた。
■新規後発品の薬価、引き下げに慎重論
また、新規後発品の薬価について、松本氏は「全ての新規後発品の価格を現在の0.5がけから0.4がけにすべきかについて、安定供給を考慮すると慎重な検討が必要」と慎重姿勢を示した。吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)も「近年の原薬の価格上昇や不採算であることを踏まえると、薬価の考え方は慎重にすべき」との考えを示した。
今村聡委員(日本医師会副会長)は「本来であれば、企業をある程度集約する必要がある中で、価格を引き上げて企業を応援する価格設定にすることは問題だ」とけん制した。
幸野氏は、市場実勢価格と改定薬価の乖離率に言及し、「支払側から見ると、現状で据え置いて良いとは言い難い。利益を出しているのであれば、市場実勢価格に見合った改定をすべき」と訴えた。