■3年後メドに治験目指す
青森大学薬学部は、免疫創薬を目的とした「青森ねぶた健康研究所」を設置し、本格的な活動をスタートさせた。北海道大学から免疫学の研究者である瀬谷司氏を所長に招へい。瀬谷氏らが取り組んできた樹状細胞をターゲットとする免疫増強アジュバントの実用化を目指す。抗癌剤「オプジーボ」の成功で癌免疫療法に注目が集まる中、炎症反応の副作用がない世界初の「次世代型アジュバント」を3年後メドに臨床試験へとつなげる計画で、免疫チェックポイント阻害剤、CAR-T療法に続く免疫療法を実現させたい考えだ。
同研究所は、日本医療研究開発機構(AMED)の「革新的がん医療実用化研究事業」に採択された瀬谷氏の研究成果を実用化するため、青森大初の創薬講座として設置されたもの。瀬谷氏は医学部と薬学部で博士号を取得し、創薬を学んだ免疫学の研究者という異色の経歴を持つ。これまで一貫して免疫創薬に取り組み、アジュバントの研究を進めてきた。