第4次安倍再改造内閣が11日に発足し、厚生労働大臣に、自民党総務会長で前厚労相の加藤勝信氏が再登板した。加藤氏は翌12日、就任後初の記者会見に臨み、政府が新設する「全世代型社会保障検討会議」の論点について言及。「2025年、40年を見据え、いま何に取り組むべきかの観点からしっかりと議論することが大事」との考えを示した。同会議と厚労省の審議会との関係性については、「われわれの施策は、かなりの部分が各審議会を経て具体的に実行される。当然、流れとして整合性を持ってやっていく必要がある」と述べた。
同会議は、11日の再改造内閣発足に当たって安倍晋三首相が設置を明らかにしたもので、医療・介護・年金をはじめとした幅広い分野を対象に「全世代が安心できる新しい社会保障制度のあり方」を検討するとし、今週にも初会合を開く予定である。
加藤氏は、同会議で焦点となり得る分野について、「医療、介護、年金など幅広く議論すると思う」との見通しを述べた上で、「大事なことは、25年、40年を見据え、全体のシステムとして、いま何に取り組むべきかという観点からしっかり議論することだ。全体に対する見通しを共有して答えを出すことで、将来に対する国民の懸念払拭と安心につながる」との考えを示した。
同会議と厚労省の審議会の関係性については、「われわれの施策はかなりの部分が審議会を経て具体的に実行される。当然、流れとして整合性を持ってやっていく必要がある」と述べた。
一方、11日の就任後、専門紙記者団にあいさつした加藤氏は、「国民生活の各ステージに強く影響し、強い関心を持たれている分野を再び担うことになった。身を引き締め、常にスタートの気持ちで取り組みたい」と抱負を語った。
医療・介護分野の給付と負担のあり方に関しては、「いたずらにいくら減らすというのではなく、どういう形で、どういう負担と給付のあり方があるのかという視点に立って議論しないといけない」との考えを示した。
加藤勝信氏(衆)=1955年生まれの63歳。旧大蔵省出身。03年の衆院選で初当選し、当選6回。自民党厚生労働部会長、自民党副幹事長、内閣官房内閣人事局長、厚生労働相、自民党総務会長などを歴任した。