NNRTI耐性ウイルスに効果、併用で1日1回経口投与の適応へ
MSD株式会社は9月12日、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)の逆転写酵素に対する新規の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)であるドラビリンの日本国内における製造販売承認申請を行ったと発表した。
ドラビリンは、NNRTI耐性ウイルスに対し高い活性を示し、HIV感染症治療の新たな選択肢となる新規NNRTIとして開発された。今回の承認申請は、他の抗HIV薬との併用によるドラビリンの1日1回の経口投与の適応を目指すもの。
HIV感染症は、HIVがCD4陽性リンパ球などの免疫担当細胞に感染することで、免疫系が徐々に破壊されエイズ(後天性免疫不全症候群)を発症する進行性の疾患。国内では、HIV感染者およびエイズ患者の累計報告件数(凝固因子製剤による感染例を除く)は、計2万8,832件(2017年末)であり、毎年1,500件前後の新規症例が報告されている。HIV感染症の治療は、原則として血中のウイルス量を検出限界以下に抑え続けることを目標に行われ、適切な抗HIV薬を継続して服用することが必要となる。
米国およびEUを含む30か国以上で既承認
同剤は、未治療のHIV-1感染患者を対象とした海外の臨床試験において、対照薬の有効性に対して非劣性であり、同剤の忍容性は良好であることが示された。また、既治療のHIV-1感染患者を対象とした海外の臨床試験において、ベースラインレジメンからドラビリンを含む配合剤への切り替えは、ベースラインレジメンの継続治療と比較して、有効性の非劣性および良好な安全性プロファイルを示したという。
また、同剤はHIV-1感染症に対する治療薬として、現在、米国およびEUを含む30か国以上で承認されている。MSDは引き続き、患者や医療従事者のニーズに応えていきたいとしている。
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