政府が昨年6月に閣議決定した規制改革実施計画では、オンラインを活用した一気通貫の在宅医療の実現に向け、電子処方箋の運用指針を改め、電子処方箋のスキームを完全電子化するための具体的な工程表の作成と公表を求めており、18年度に検討・結論、19年度上期に措置としていた。
政府が今年6月に閣議決定した成長戦略フォローアップでも、電子処方箋について、実証を踏まえ、より円滑な運用を可能とするため19年度中にガイドラインを改定するとしていた。
この日の会議で厚労省は、現行指針で普及の阻害要因の一つとされる「紙媒体の電子処方箋引換証を必要とする運用の見直し」について、医療サービス企業のメドレーによる実証事業で、多くの患者がQRコードなどのアクセスコードを使用していたことなどを踏まえ、紙か電子媒体でQRコードや処方内容などが記されたアクセスコードの活用を提案。
サーバーについては、医療情報を取り扱うクラウドサービスが多様化している状況を踏まえ、これまで中心的な役割を担っていた「ASP・SaaS」事業者だけでなく、広くクラウドサービスを対象とする方向性を示した。
これに対し、委員からはアクセスコードの活用について、読み取りに対応した薬局を医療機関が紹介した場合などに、特定薬局への患者誘導となり、結果として患者のフリーアクセス阻害要因となることへの懸念が示され、フリーアクセスが確保される形での指針見直しを求める声も出た。
また「人の目でQRコードは読み取れない」とし、「アクセスコードだけでは処方箋を受け取った患者自身がどのような薬剤を処方されたのかが分からないため、処方情報が分かるようなものにすべき」との意見も出た。
厚労省の作業班は、今月下旬に開催予定の次回会合に指針の改定案を示し、月内にも一定の方向性を取りまとめることとしている。それを受け、今年度下期に指針を改定する方針。