ESA注射剤と異なり、経口投与可能で低温保管の必要性なし
グラクソ・スミスクライン株式会社は8月21日、経口の低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素阻害剤(HIF-PHI)のダプロデュスタットについて、腎性貧血を適応症として厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表した。
慢性腎臓病(CKD)の患者では、赤血球産生を促すホルモンであるエリスロポエチンが十分に産生されないため、貧血がよくみられる。ダプロデュスタットは、酸素を検知するプロリン水酸化酵素を阻害することで低酸素誘導因子を安定化させる。高地で身体に生じる生理学的作用と同様に、エリスロポエチンやその他の遺伝子の転写をもたらし、骨髄での赤血球産生を促す新しい作用機序の薬剤。また、赤血球造血刺激因子(ESA)注射剤と異なり、経口投与が可能で、低温保管の必要性がないことが特徴だ。
GSKと協和キリンが共同で医薬情報提供活動を実施予定
今回の申請は、ESA注射剤で治療中の血液透析患者271例を対象とした52週間のダプロデュスタットとダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)の比較試験などを含む、主に日本で実施された第3相試験の結果に基づくもの。これらの臨床試験では、ESA注射剤による治療の有無にかかわらず、透析前の保存期および透析中の患者を対象として、ダプロデュスタットを評価した。
ダプロデュスタットについては、現在、腎性貧血やその他の適応症についても承認を取得している国はない。日本でダプロデュスタットが製造販売承認を取得した場合には、2018年に締結した戦略的販売提携契約に基づき、流通・販売業務は協和キリン株式会社が独占的に行う予定。また発売後は、GSKと協和キリンが共同で医療機関などへの医薬情報提供活動を行う予定としている。
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・グラクソ・スミスクライン株式会社 プレスリリース