厚生労働省は、国家戦略特区で認められている遠隔服薬指導を都市部でも実施できるようにするための改正省令案を公表し、意見募集を開始した。
昨年12月の国家戦略特区諮問会議で示された、「かかりつけ薬剤師による服薬指導の実施等を含めた患者目線の観点から、都市部の一部におけるオンライン服薬指導の試行的実施を早期に実現するための検討を進める」との方針や、政府が6月に閣議決定した成長戦略フォローアップに盛り込まれた都市部での遠隔服薬指導の実施などを踏まえた対応。
現行の国家戦略特別区域法施行規則では、遠隔服薬指導を行う場合の条件について、利用者の居住地域に薬剤師数が少ないこと、薬局と利用者宅との距離が相当程度長い場合などに限定していた。
今回の改正省令案では、新たに「利用者または薬局開設者の事情により、対面による服薬指導が困難な場合」も行えるようにする。実施に当たっては、薬局開設者が薬剤師に、予め対面で利用者に服薬指導を行っていることを要件とする。
薬局開設者は、薬剤師に遠隔服薬指導に関する計画書を本人の同意を得て策定すると共に、計画に従って実施させるようにする。
計画書には、▽薬剤遠隔指導等で取り扱う薬剤の種類および授受の方法▽薬剤遠隔指導等並びに対面による薬剤の適正な使用のための情報の提供および薬学的知見に基づく指導の組み合わせ▽薬剤遠隔指導等を行うことができない場合――などの事項を盛り込む。
改正案に対する意見募集は9月11日まで行っている。改正省令はパブコメの結果を踏まえ、9月末にも公布される予定。