薬価改定率は、消費税対応分として、医療費ベースで0.42%(薬剤費ベースでプラス1.95%)引き上げるが、実勢価改定等が医療費ベースで0.93%(マイナス4.35%)の引き下げとなり、医療費ベースで0.51%(マイナス2.40%)引き下げられた。
今回の薬価改定は、2018年度診療報酬改定での薬価改定ルールの範囲内で対応しているため、大きな動きは見られない。
改定ルールが適用されたのは、新薬創出・適応外薬解消等促進加算、基礎的医薬品、後発品の価格帯などである。新薬創出等加算は、339成分(18年度改定時314成分)、591品目(560品目)が加算対象となった。
薬価収載後15年を経過したり、後発品が登場するなどして対象から外れた品目があった一方で、18年度改定以降に新薬として収載され、加算の要件を満たしたものがあり、対象品目が増えたものと見られる。
新薬開発やドラッグ・ラグ解消に向けた企業の取り組みを点数化し、それに応じて加算に差をつける「企業要件」は、上位25%の「区分I」の企業数は23社(23社)、「区分II」が55社(54社)、「区分III」が5社(6社)で、合計の企業数83社は18年度改定時と変わらなかった。
医療現場で欠かせない基礎的な医薬品の製造・販売の継続を目的に、薬価を下支えする基礎的医薬品の対象となったのは261成分(262成分)、715品目(660品目)だった。
後発品の価格帯は、1価格帯の成分規格数が1498(1440)で、2価格帯が376(364)、3価格帯が85(83)だった。
■調剤基本料1点引き上げ
今回の改定では、消費税増税によって増える薬局の仕入れコストの負担増を補填するため、調剤報酬の一部項目を引き上げる対応も行った。全ての調剤基本料(41点、25点、20点、15点、10点)の点数にそれぞれ1点を上乗せしたほか、一包化加算、無菌製剤処理加算の各項目の点数を引き上げた。
一包化加算は、「42日分以下」を2点プラスの34点、「43日分以上」を20点プラスの240点に設定。無菌製剤処理加算は全て2点上乗せし、「中心静脈栄養法輸液」を69点(6歳未満は137点)、「抗悪性腫瘍剤」を79点(147点)、「麻薬」を69点(135点)とした。
また、かかりつけ薬剤師包括管理料は1点上乗せして281点に引き上げた。新たな診療報酬点数表も10月1日から適用される。