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IBD患者向け症状記録・共有アプリ「IBDホーム」をリリース-武田薬品

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2019年08月20日 PM05:00

医療関係者と患者のスムーズなコミュニケーションの促進にも期待

武田薬品工業株式会社は7月9日、(Inflammatory bowel disease:)患者向けの症状記録・共有アプリ「IBDホーム」のサービス提供を開始したと発表した。同アプリでは、患者が自身の症状や食事内容について記録することが可能で、日々の生活における疑問について、アプリを使用するIBD患者たちの考えを知ることができる機能も搭載。患者と医療関係者双方の同意が得られた場合には、医療関係者側でも患者の症状などの記録内容を把握することが可能で、必要なタイミングでの治療介入が行いやすくなるなど、IBD患者のQOL向上に寄与することが期待される。


画像はリリースより

IBDは血便、下痢、腹痛といった症状が現れる疾患で、重症化すると1日に20回以上の排便を来すこともある。また、寛解期と活動期を繰り返すという特徴があるため、そのときの症状にあわせて生活や食事への配慮が求められる。同アプリでは、患者自身が排便回数、血便などの日々の症状を毎日記録でき、食事内容については写真つきで記録することが可能だ。その他、使用している薬剤の登録や飲み忘れ防止のための服薬リマインダー機能、最寄りのトイレ検索機能などを利用できる。

同アプリは、主に患者が自身の症状を記録し振り返るために使用するが、患者と医療関係者の双方で同意が得られた場合には、患者がアプリに記録した症状や使用薬剤の推移、食事の状況などを、医師、看護師、薬剤師、栄養士など医療関係者側も確認することができる。また、患者は診察前にアプリ内で「生活に支障を来す症状の有無」「次回の通院での相談事項」などを登録することで、医療関係者側に診察の際に確認したいことを事前に伝えることも可能。患者と医療関係者が同アプリを利用する場合には、双方のスムーズなコミュニケーションの促進が期待される。

また、医療関係者側の機能として、(UC)の臨床的重症度評価であるpartial Mayo Scoreの計算をサポートする機能を搭載。Mayo Scoreには、(1)排便回数、(2)直腸からの出血、(3)内視鏡所見、(4)医師による全般評価の項目があり、このうち(3)内視鏡所見を除いたものをpartial Mayo Scoreという。(1)(2)に関しては患者へのヒアリングが不可欠だが、同アプリでは患者が排便回数、血便の状況を日々記録するため、医師はその情報をもとに、partial Mayo Scoreを簡単に計算できる。患者へのヒアリングの手間が省け、常に患者の最新の状況も把握できることから、必要なタイミングでの治療介入に役立てられるのではないだろうか。

患者が気付きを得て、モチベーションを維持するための工夫も

同アプリの特徴的な機能として「みんなのIBD白書」がある。これは、患者がアンケートに回答することで、同アプリを利用する他のIBD患者の回答結果を見ることできる機能だ。「学校の友達/職場の人にIBDのことを伝えていますか?」「IBDになってから海外旅行に行ったことがありますか?」といった、患者の日々の生活に関する質問が月に1回更新される。患者同士でないと聞きづらいようなことも、アンケートに回答し結果を見ることで他のIBD患者の考えや経験を知ることができる。今後も、患者が新しい気付きを得ることができるような質問を随時更新予定だという。

その他、同アプリでは「ココくん」というキャラクターが患者をサポートする。アプリを利用するたびにキャラクターが成長していく仕組みで、患者の記録した症状にあわせてコメントするなどの工夫が施されている。1人ひとりの患者の状況にあわせたキャラクターのコメントが、日々の症状を振り返るための患者のモチベーション維持に寄与するかもしれない。

患者が自身の症状を振り返ることや、患者と医療関係者のコミュニケーションを円滑にすることをサポートするアプリ、IBDホーム。IBD患者だけでなく、医療関係者にとっても有用なツールとして活用されることが期待される。

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