全国の20~60代の気管支ぜんそく患者3,000名を対象に実施
アストラゼネカ株式会社は8月9日、気管支ぜんそく患者を取り巻く現状や、ぜんそく治療の実態を明らかにすることを目的とした患者調査を、全国の20~60代の気管支ぜんそく患者3,000名(男性:1,539名、女性:1,461名)を対象に実施したことを発表した。
画像はリリースより
同調査は近畿大学病院 病院長 東田有智氏監修のもと、インターネット上で実施された。結果は「ぜんそく患者さんの予定外受診・救急受診・救急搬送の現状」編、「ぜんそく患者さんの通院・服薬の現状」編、「重症ぜんそく患者さんの現状」編という3つのテーマで公開される。さらに、全国を8つの地方(北海道地方、東北地方、関東地方、中部地方、近畿地方、中国地方、四国地方、九州・沖縄地方)に分けて分析し、地域の傾向がみられる結果を併せて発表するという。
患者の認識と、ガイドラインの定義との乖離が明らかに
第一弾「ぜんそく患者さんの予定外受診・救急受診・救急搬送の現状」編の主な調査結果として、以下の点が明らかになった。
(1)ガイドラインの定義によりコントロール不十分・不良と判断される患者の6割以上が、自分のぜんそくは「症状がコントロールされた状態だと思う」と回答。
(2)ガイドラインの定義によりコントロール不十分・不良と判断される患者の6割が「ぜんそくのない人と同じ日常生活を送れている」と回答。
(3)年1回以上、予定外受診を経験している患者は約4割。救急受診は6.5%、入院は2.9%の患者が年1回以上経験。地方別では、予定外受診、救急受診、入院、いずれも九州・沖縄地方が最も高かった(次いで、四国地方、中部地方)。
(4)3割以上のぜんそく患者が、ぜんそく発作による救急搬送や救急受診を経験。地方別では、九州・沖縄地方が4割で、最も高かった(次いで、近畿地方、四国地方)。
(5)救急搬送・救急受診経験があるぜんそく患者の約5割が、救急搬送・救急受診したことを主治医に報告。その割合は、近畿地方で最も高かった(次いで、関東地方、北海道地方)。また、救急受診の文書を主治医に渡すように言われた患者は約2割で、九州・沖縄地方での割合が最も高かった(中国地方、北海道地方)。
(6)自身のぜんそく悪化に関連している要因として、医師から説明を受けて認識している割合が最も多かったのは「好酸球の増加」(次いで、ダニなどのアレルゲン、喫煙)。
調査を監修した東田氏は、「今回の調査結果から、6割に上る患者が、自分の症状はコントロールされている、あるいは、ぜんそくの無い人と同じ日常生活を送れている、と感じていながら、ガイドラインで、コントロール不十分、コントロール不良と定義される状態にあると考えられることが示された。さらに、ぜんそく患者の3人に1人がぜんそく発作で救急搬送や救急受診などを経験している実態も明らかとなった。これらは、自身が症状を適切に把握し、治療を継続し症状をコントロールしていくことの重要さを示していると考える。一方で、救急搬送を経験した患者の半数は主治医にその旨を伝えた、また、自分の症状悪化の要因が「好酸球の増加」であると、医師から説明を受けて認識している人が7割に上るなど、患者と主治医との間のコミュニケーションの現状もわかった。引き続き、患者と主治医とがコミュニケーションを取り、患者がそれぞれの症状に合った治療に出会い、健康な人と変わらない日常生活を送れることを願っている」と、述べている。
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