β1受容体を選択的に遮断し、過剰な交感神経の亢進を抑制する「短時間作用型β1選択的遮断剤」
小野薬品工業株式会社は8月8日、短時間作用型β1選択的遮断剤「オノアクト(R)点滴静注用 50mg/150mg」(一般名:ランジオロール塩酸塩)について、敗血症に伴う頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)に対する効果・効能追加の製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったことを発表した。今回の承認申請は、国内で実施された敗血症に伴う頻脈性不整脈患者を対象とする、後期第2相/第3相多施設共同非盲検無作為化並行群間比較試験(ONO-1101-32)の結果に基づくもの。
敗血症は、感染症により重篤な臓器障害が引き起こされる状態と定義され、過剰な交感神経の亢進が臓器障害を促進することが知られている。また、全身状態の悪化による交感神経の亢進や、炎症性サイトカインの上昇が原因で、頻脈性不整脈になることもある。
同剤は、小野薬品が創製・開発した短時間作用型β1選択的遮断剤。主に心臓に多く存在するβ1受容体を選択的に遮断し、過剰な交感神経の亢進を抑制することで、敗血症に伴う頻脈性不整脈の治療への貢献が期待されている。
「手術時の頻脈性不整脈に対する緊急処置」の効能・効果で、2002年に発売
小野薬品は2002年9月、「手術時の頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)に対する緊急処置」の効能・効果で同剤を発売。その後、2006年10月に「手術後の循環動態監視下における頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)に対する緊急処置」、2013年11月に「心機能低下例における頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動)」および2019年3月に「生命に危険のある不整脈(心室細動、血行動態不安定な心室頻拍)で、難治性かつ緊急を要する場合」の効能・効果で承認を取得している。
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・小野薬品工業株式会社 プレスリリース