国家公務員の給与は、民間企業の4月分の給与を調査した上で比較し、官民差を埋めることを基本に勧告を行っている。特別給(期末・勤勉手当)についても、民間ボーナスの過去1年間の支給実績を把握し、国家公務員の支給月数を合わせている。
給与勧告を行うため、全産業をカバーする全国約1万2500の民間事業所の約55万人を対象に個人別の給与を調査した。それによると、今年4月の減額前の国家公務員給与は民間を平均387円(0.09%)下回り、ボーナスは昨年8月から今年7月までの民間の支給割合が4.51カ月となったのに対し、公務員の支給月数は4.45カ月とわずかに下回ったことから、民間の支給割合に見合うよう0.05カ月引き上げることにした。
公的病院等に勤務する薬剤師は、栄養士、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士等と共に医療職俸給表(二)が適用される。薬剤師の初任給は21万0500円と昨年より1500円アップした。
今年の国家公務員給与等実態調査では、医療職俸給表(二)の適用職員数は476人と前年より増えた。平均年齢は46.2歳と昨年に比べて0.1歳上がり、平均経験年数は20.9年と昨年同様だった。
■民間初任給はダウン
従業員50人以上の事業所を対象に今年4月現在の民間給与実態の調査結果も公表された。準新卒の薬剤師初任給は、時間外手当や家族手当、通勤手当等を除き平均22万8790円となり、昨年から3123円のダウンとなった。昨年の大幅アップから一転した格好だ。
企業規模が500人以上では22万4993円と、昨年の23万1208円から6215円の大幅ダウンとなった一方で、100人以上500人未満では23万6567円と昨年からさらに3055円アップ。500人以上の企業より100人以上500人未満の企業で初任給が高い状況は拡大しつつある。
民間給与は、企業規模全体で見ると昨年から一転してダウンし、公務員薬剤師の初任給と比べて500人以上の企業では給与差が1万4500円程度と縮まったものの、100人以上500人未満の企業とは2万6000円程度の差に広がっている。
医療関係職種の時間外手当を差し引いた4月支給分の平均給与額を見ると、薬剤師が平均年齢37.0歳で33万0742円、薬剤師2人以上の部下がいる薬局長は平均年齢50.2歳で47万8247円と昨年に比べて1797円減少し、2年連続のダウンとなった。
一般の薬剤師の平均給与は前年のアップから一転して1万2521円の大幅ダウンとなり、薬局長は昨年の約8000円の減収に続くダウンとなった。