厚生労働省は26日、インドネシア国家医薬品食料品監督庁(NADFC)が18日付で、日本を新医薬品の簡略審査対象国であることを明示したと発表した。審査期間を従来の300日から120日に短縮し、インドネシア国内で日本の革新的医薬品などに、より早くアクセスできる。NADFCは以前から日本を対象国と見なしてきたが、評価システムが確立されていると改めて判断し、対象国であることを明確にした。
簡略審査対象国となることで、製薬企業が日本国内で承認された新薬をインドネシアで登録申請する場合、日本の審査報告書を提出すれば、通常300日の審査期間を120日に短縮することができ、より迅速にインドネシア国内で上市を目指せるとしている。既に欧米諸国が同制度の対象国に指定されている。
インドネシア側のメリットとして、日本で開発された革新的医薬品などへのアクセスが迅速化されることにより、保健医療の質向上に貢献できるほか、NADFCが審査にかけていた労力や時間を他の業務に充てることができるという。
NADFCは、以前から日本を新薬の簡略審査対象国と見なしてきたが、2国間会合やシンポジウムなどを通じて、厚労省と医薬品医療機器総合機構(PMDA)の評価システムが確立されていると判断。今回、対象国であることを正式に明示した形だ。
厚労省とPMDAは、先月に策定された「アジア医薬品・医療機器規制調和グランドデザイン」に基づき、レギュラトリーサイエンスへの理解や活用を促す取り組みなどを進め、アジア諸国における医薬品へのアクセス向上を目指す考えだ。