調査は、私立薬大協加盟の57校(徳島文理大香川を含む)を対象に実施されたもの。今年度の定員は1万1236人と、前年度の1万1351人から115人減少。6年制学科は1万0571人、4年制学科は665人となった。また、募集数は一般が7091人、推薦が4047人となり、昨年度に比べて一般が減少した一方、推薦は増加し、合計の募集数は1万1138人と昨年度よりわずかに減少した。
志願者数は、一般7万5785人(前年度8万1684人、推薦1万3371人(1万4218人)、合計で8万9156人と、昨年度から6746人と大きく減少した。志願者数は、15年度から減少に転じて以来、7年ぶりの8万人台と9万人を割り込んだ。志願者数の減少傾向が続いており、一時は志願者10万人を超えた薬学人気も、ピークアウト感が一層鮮明になった格好と言える。
志願者数の減少傾向に伴い、募集数に対する入試倍率も全体で7.9倍とやや下落し、なだらかな下落傾向が見られ始めている。これまで志願者が減少しながらも入試倍率は高止まりしていたが、徐々に下落傾向が強まっている。
6年制の一般は10.6倍(11.2倍)、推薦は3.4倍(3.7倍)、4年制は一般が12.1倍(12.1倍)、推薦が2.4倍(2.5倍)と、一般入試では依然として10倍を超えている状況。
入学志願者数は、全体で約7000人減少し、前年度より減少幅が大きくなったが、大学ごとの志願者数と倍率には大きな開きが見られる。入試倍率が平均の8.0倍を超えた人気のある大学は22校となった一方で、平均倍率を大きく下回り、倍率が3倍に満たなかった大学は11大学、2倍を切った大学も6校となるなど、少子化が一層進む中で大学間格差はさらに広がっている。
最も倍率が高く狭き門となったのは、近畿大で29.4(32.1倍)、次いで武蔵野大が22.2倍(19.9倍)、摂南大が21.7倍(25.7倍)となった。武蔵野大の倍率が上がり、摂南大と順位が逆転したが、前年度に比べて倍率は低下傾向にある。
高倍率の上位校を見ると、東京理科大が17.2倍(16.9倍)、崇城大学が13.6倍(12.3倍)、星薬科大学が13.3倍(14.8倍)福岡大学が12.8倍(12.6倍)、立命館大が11.9倍(14.9倍)、神戸学院大学が11.1倍(12.1倍)と続いており、前年に比べて入試倍率の変動にややばらつきが見られる。
また、10倍以上と競争率が高かった大学は、慶應義塾大学が10.8倍(11.9倍)、明治薬科大学が10.7倍(11.6倍)、昭和薬科大学が10.6倍(10.0倍)、帝京大学が10.1倍(13.0倍)、神戸薬科大学が10.0倍(11.0倍)と高い人気を集めていたが、前年度に比べると10倍以上の競争率が高い大学は減少した。
なお、倍率は4年制と6年制を区別せず、総定員数と総志願者数から割り出した。
表:2019年度私立薬系大学の入学志願状況