小細胞肺がんは肺がんの中でも悪性度が高い
英アストラゼネカ社は7月12日、デュルバルマブ(製品名:イミフィジン)が米国食品医薬品局(FDA)より、小細胞肺がん(SCLC)の治療薬として、希少疾病用医薬品指定(ODD)を受けたことを発表した。
画像はリリースより
SCLCは肺がんの約15%に相当し、SCLC患者の約3分の2は、がんが肺または体の他の部位に広範囲にひろがっている進展型と診断される。肺がんの中で最も悪性度が高く、その5年生存率はわずか6%。FDAは、20万人未満の米国人患者が罹患する希少疾患およびその治療、診断、予防を目的とした新薬に対してODDの指定を付与している。
SCLC患者対象の臨床試験で主要評価項目達成
デュルバルマブ(遺伝子組換え)製剤は、ヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体。PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発する。
進展型SCLC患者の一次治療を対象とした第3相CASPIAN試験で、デュルバルマブと標準治療であるエトポシドおよびプラチナ製剤ベースの化学療法併用群と、化学療法単独群に分けて治療を実施。進展型のSCLC患者に対してデュルバルマブは全生存期間(OS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示し、主要評価項目を達成した。試験の最終結果は今後の学術集会で発表予定。また、デュルバルマブについては、同時化学放射線療法後の限局型SCLC患者を対象とした第3相ADRIATIC試験も進行中だ。
デュルバルマブは、第3相PACIFIC試験の結果に基づき、米国、EU、および日本を含む45を超える国で、切除不能なステージ3非小細胞肺がんへの適応で承認されている。なお、SCLCに対するデュルバルマブの適応は国内未承認。
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