蚊を媒介する感染症、重症化する場合も
サノフィ株式会社は7月19日、黄熱ワクチン1回接種用製剤「黄熱ワクチン 1人用」の製造販売承認を2019年5月に取得し、同年8月19日から接種を開始すると発表した。
黄熱は蚊によって媒介される感染症。ジカウイルス感染症やデング熱、日本脳炎などの感染症の原因となるウイルスと近縁の黄熱ウイルスに感染することにより起こる。感染すると、発熱、寒気などの症状を引き起こすことがある。さらに一部の患者で重症化し、適切な治療を行わないと死に至る場合がある。
5回接種用製剤の製造中止以降、一時的に「スタマリル」を接種
日本における黄熱ワクチンは、1本のバイアル製剤中に5回分(5人分)が含まれる「黄熱ワクチン」が1955年から供給されていた。しかし、製造元であるフランスのサノフィパスツール社は2016年、1本のバイアル製剤に1回分(1人分)とした「黄熱ワクチン」の製剤に1本化することを決定。その決定に基づき、同社は同剤の日本における承認申請・販売開始手続きを進め、この度「黄熱ワクチン 1人用」の接種を開始することとなった。同製剤の導入により、接種機関・被接種者の利便性向上が期待される。
5回接種用製剤の製造中止決定を受け、日本では2018年11月以後、一時的に臨床研究法に基づく臨床研究として、同社が製造する黄熱ワクチン 「Stamaril(R)」(スタマリル)の予防接種を行っている。スタマリルは、日本において製造販売承認がない製剤だが、世界保健機関(WHO)で認められているワクチン。1986年以降、70を超える国と地域で使用されており、これまでに4億回接種分を超えるワクチンが出荷されている。
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・サノフィ株式会社 プレスリリース