長野県の上田薬剤師会は、非薬剤師による調剤の「準備行為」に関する研修計画を取りまとめた。非薬剤師でも実施可能な業務について基本的な考えを示した4月2日付の厚生労働省通知では、業務に携わる非薬剤師への研修を実施するよう求めており、同薬剤師会の専門委員会が研修内容を検討していた。
研修は、座学、実務実習をそれぞれ3時間で行う。座学では、非薬剤師の業務範囲をはじめ、処方箋の読み方、薬局に関する法律・倫理規範・制度、医療安全、医薬品の管理などについて学ぶ。
実務実習では、非薬剤師の業務範囲について、▽処方箋に記載された医薬品の必要量を取り揃える▽薬剤師による監査の前に行う一包化した薬剤の数量の確認▽納品された医薬品を調剤室内の棚に納める▽調剤済みの薬剤を患者のお薬カレンダーや院内の配薬カートなどへ入れる▽電子画像を用いてお薬カレンダーを確認▽薬局において調剤に必要な医薬品の在庫がなく卸から取り寄せた場合などで先に服薬指導を薬剤師が行った上で患者の居宅などに調剤した薬剤を郵送――と定義することを前提に手・爪などの衛生管理、薬剤の取り揃え、一包化された薬剤の内容の確認、医薬品の検品や棚への納品などを実施する。
研修への参加要件は、医療機関への勤続1年以上(最終学歴は高等学校卒以上が望ましい)とし、登録販売者の資格を有する場合はこれらの基準を満たす必要はない。
研修を修了した非薬剤師には修了証を発行するが、1年ごとの更新制とする。初回の研修は8月中旬を予定しており、費用は上田薬の会員薬局が1万円、それ以外は1万2000円としている。