大阪府薬務課は9日の定例会見で、2019年度の後発品安心使用促進事業について、▽患者・医師への安心使用▽患者が選んだ後発品の見える化――の2本立てのプロジェクトで進めていく方針を示した。その中で、岸和田市においてお薬手帳の活用に着目した新規モデル事業を展開。薬局で後発品を調剤後、飲み心地など服薬状況の確認を行い、患者自身が使用状況や満足度をお薬手帳に記入し、その情報を医師や歯科医師に伝えるという患者から医師への伝達ツールとしての活用を促す。
八尾市では、市委託事業として後発品の適正使用のための方策を検討する。昨年度に市内12医療機関の後発品採用リストを作成し、ホームページで公表。リストは年1回情報を更新することにしているが、今年度はフォーミュラリーを地域の医療機関で展開する方向で調整している。
また、6月末に開催されたG20大阪サミットでは、薬務課として大阪市担当部署と連携し、医薬品・毒物劇物の保健医療対策に24時間体制で対応したことを報告した。災害用医薬品等の備蓄・供給体制の確認や解毒剤などテロ対策用医薬品の備蓄量を把握し、医薬品の選定・発注などのほか、G20サミット期間中のテロ・災害発生時の解毒剤供給ルート、連絡体制の確保などに取り組んだ。
菱谷博次薬務課長は、医薬品流通への影響について言及。「事前アナウンスも行い、事前の医薬品在庫対応などで薬が不足したという混乱はなかった。特に医薬品の安定供給体制の確保では、大阪府医薬品卸協同組合関係者に使命感を持って取り組んでいただいた」と説明した。
健康サポート薬局の届出数は4日時点で151件であり、府の医療計画では23年までの目標を174件に設定した。菱谷課長は、「府としては健康サポート薬局の数を増やしたいというスタンスであり、府薬剤師会の取り組みにも期待したい」と述べた。
その他、今年度に関西広域連合が実施する登録販売者試験応募者は全体(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、徳島県)が1万0827人で、このうち大阪府会場での受験者は4459人を予定していることが報告された。