日本薬剤師会は、政府の「経済財政運営と改革の基本方針2019」(骨太の方針2019)について見解を示した。
薬価制度改革に言及し、「過剰な薬価の引き下げは、日本の医薬品産業の弱体化や国民の医薬品へのアクセスの阻害が危惧される」との懸念を示した上で、「バイオ医薬品の研究開発と共に、革新的な新薬創出、医薬品産業の競争力強化に向けた官民挙げての取り組みが着実に推進されるよう願う」と注文を付けた。
医療提供体制の実現に向けては、疾病予防・重症化予防・健康づくりのための取り組みを含め、「かかりつけ薬剤師、健康サポート薬局の普及を進めなければならない」と強調。また、適切なルールのもとでのオンライン服薬指導の実施に向けた環境整備や、レセプトを活用した多剤・重複投薬の是正に向けた取り組みなども「欠かせない」との認識を示した。
今後、骨太方針を踏まえ、年末に向けて予算案の策定作業が進む中、20年度診療報酬・調剤報酬改定に関する検討について、「中央社会保険医療協議会や社会保障審議会を通じ、国民皆保険の維持・堅持、より良い医療提供体制の実現といった観点から必要な意見・考え方を主張していく」とした。