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XPOVIO、再発または難治性多発性骨髄腫治療薬としてFDAより承認取得-KPTI

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2019年07月09日 PM12:30

デキサメサゾンとの併用療法として承認

米カリオファーム セラピューティクス社(KPTI)は7月3日、核外輸送タンパク質阻害剤である経口「XPOVIO(TM)」(一般名:selinexor)が、デキサメサゾンとの併用療法において米国食品医薬品局()の承認を取得したことを発表した。対象となるのは、4回以上の治療歴があり、2剤以上のプロテアソーム阻害剤、2剤以上の免疫調節剤および抗CD-38モノクロナール抗体の治療に抵抗性が認められた再発または難治性多発性骨髄腫(RRMM)の患者。

FDAによるXPOVIOの迅速承認は、RRMM患者を対象とした多施設単群非盲検第2b相STORM試験の結果に基づくもの。STORM試験のパート2では、RRMM患者122例(アルキル化剤、グルココルチコイド、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、レナリドミド、ポマリドミドおよび抗CD-38モノクロナール抗体を含む骨髄腫治療薬で3レジメン以上の治療歴のあるRRMM患者およびグルココルチコイド、プロテアソーム阻害剤、免疫調節剤、抗CD-38モノクロナール抗体および最終ラインの治療に抵抗性を示した骨髄腫患者)が組み入れられた。

同試験では、患者に対し、毎週第1日目と3日目にXPOVIO80mgとデキサメタゾン20mgの併用療法を行った。そのうち83例は、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、レナリドミド、ポマリドミド、およびダラツムマブに難治性を示したRRMM患者だった。なお、患者への投与は病勢進行、死亡または忍容できない毒性が認められるまで継続された。

主要な有効性指数は25.3%

主要評価項目は、国際骨髄腫ワーキンググループによる多発性骨髄腫の統一効果判定規準に基づく、独立評価委員会の判定による奏効率(ORR)。STORM試験のパート2の主要な有効性指標であるORRは、患者83例のサブグループで25.3%であり、厳密な完全奏効1例、完全奏効例なし、最良奏効4例および部分奏効16例が含まれていた。これらの奏効患者における奏効までの期間の中央値は4週間、奏効持続期間の中央値は3.8か月だった。

STORM試験のパート1、2に登録された患者202例は、週の第1日目と3日目にXPOVIO80mgとデキサメタゾン20mgの併用療法を受けた。その中で、発症率20%以上で報告された副作用は、血小板減少症、疲労、悪心、貧血、食欲減退、体重減少、下痢、嘔吐、低ナトリウム血症、好中球減少症、白血球減少症、便秘、呼吸困難、上気道感染だった。患者のうち、副作用による投与中止率は27%で、投与量を減量した患者が53%、投与を中止した患者は65.3%だった。また、致死的な副作用の発症率は8.9%。永久的投与中止を要した患者で最も頻繁に認められた副作用は、疲労、嘔吐、血小板減少症で、患者の4%以上にみられた。

カリオファーム社は、2019年7月10日までにはXPOVIOが米国で市販できると期待している。現在、selinexorの販売承認申請は、欧州医薬品庁薬局(EMA)でも審査されており、日本では、多発性骨髄腫および非ホジキンリンパ腫を対象に、第1相臨床試験を実施中。

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