■安全対策調査会で了承
厚生労働省は26日、帝人ファーマの高尿酸血症治療薬「フェブキソスタット」(販売名:フェブリク錠)の添付文書について、心血管疾患の発現に関する注意喚起を記載する案を薬事・食品衛生審議会安全対策部会安全対策調査会に示し、委員から肯定的な意見が多数を占めたことから、了承された。海外の臨床試験結果を踏まえた対応で、類薬の「トピロキソスタット」の添付文書も同様に試験結果を情報提供するよう改める。7月上旬をメドに製造販売業者に添付文書改訂を指示する通知を発出予定。
フェブキソスタットをめぐっては、米国では承認審査で心血管疾患の発現割合が対照群(アロプリノール)と比べて高い傾向が見られたことから、製造販売後に心血管リスクを評価する臨床試験(CARES試験)を実施。その結果、アロプリノールと比べて心血管死のリスクが高いことが確認され、今年2月に米国FDAが心血管死に関する注意喚起を追記するよう添付文書の改訂を指示し、アロプリノールによる治療が効果不十分または忍容性がない患者に使用を限定した。
国内では、2012年から6年間にわたって特定使用成績調査を実施した結果、3245例中、脳血管死と心血管死の発現数は35例だった。副作用報告を見ると、重篤な副作用397例555件中、心血管関連事象は63例70件確認され、そのうち死亡したのは18例18件だった。
ただ、医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、「同剤の投与と死亡との因果関係が否定できない症例はない」と判断している。これらを踏まえ、厚労省は対応案として、使用患者を限定する変更は行わない一方、心血管死という重篤な疾患であることから、添付文書の「その他の注意」の項でCARES試験の結果を提供すると共に、「重要な基本的注意」の項で心血管死の発現について注意喚起することとした。
また、類薬であるトピロキソスタット(ウリアデック錠=三和化学研究所、トピロリック錠=富士薬品)の添付文書についても、CARES試験の結果を情報提供するよう改訂することとした。