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バイオ後続品でDB活用-新薬系2社が相次ぎ導入

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2019年06月26日 AM11:00


■先行バイオ薬と副作用比較

製薬大手の第一三共とファイザーがバイオ後続品で医療情報データベース(医療DB)の活用を開始した。医療DBに蓄積されている先行バイオ医薬品の安全性データと比較し、検討すべき安全性評価項目で副作用発現に差がないかを確認する。既に両社は、複数のバイオ後続品で医薬品医療機器総合機構()と医療DBを用いた追加の安全性監視活動を行うことで合意している。新薬の安全性監視活動で医療DBを活用する中、再審査がないバイオ後続品でも先行品と比較できるメリットを生かし、医師や患者の不安感払拭につなげたい考えだ。

国内で承認された新薬は、上市後の一定期間に有効性・安全性のデータを収集し、臨床試験のエビデンスと差異がないかを調べる再審査期間が設けられているが、先発品の特許期間満了後に販売される後発品やバイオ後続品は再審査が免除されている。

ただ、先行バイオ医薬品との同質性で不安な医師や患者が多いことから、PMDAはバイオ後続品について新薬同様に使用成績調査を行うよう求めているものの、企業からは医師への調査票回収にかかるコストや労力の負担が大きいと課題が挙げられていた。

新薬系メーカーの両社は、国内バイオ後続品市場では後発となるが、医薬品の安全性情報管理の事業基盤を強みに事業を展開する。昨年4月に製造販売後調査に関するGPSP省令が改正されたのを機に、新薬の安全性監視活動で医療DBの活用を始め、GPSP省令が対象としていないバイオ後続品でも導入することになった。

第一三共は、癌領域に強い製薬企業という目標を実現するため、2025年までに七つの新薬を上市する計画を打ち出している。副作用が多い抗癌剤でリスクベネフィット評価を行える体制を強化するため、昨年4月に薬剤疫学グループを設立した。バイオ後続品では昨年11月に抗癌剤の抗HER2抗体「」(先行品:ハーセプチン)を発売。民間の商用DBを用いて心障害などの安全性リスクを比較する調査を始めた。

同社は、他社が実施するバイオ後続品の使用成績調査で、新薬以上に医師からの協力を得るのが難しく、調査完了時期を延長させるケースが多発している実態を問題視。トラスツズマブ後続品の追加の安全性監視活動を行う上で、医療現場に負荷がかからない手法を検討した結果、DB調査が理想的な方法論であると判断した。

今後、バイオ後続品の上市ラッシュが控える中、DB調査を第一選択肢とした安全性監視活動を実施していく方向だ。

ファイザーも16年からDB調査に対応した準備を進め、抗TNF-α抗体「インフリキシマブ」(先行品:)など数製品のバイオ後続品でPMDAとの合意を得ている。バイオ後続品のDB調査は、比較対照群である先行品の有効性・安全性データがDBに集積されているため、新薬を対象とした比較調査に比べても実施しやすく、導入メリットは高いとした。

ただ、再審査期間がない中で使用成績調査が求められるなど、バイオ後続品の上市後安全性監視活動は確立されておらず、過渡期の段階にある。

ファイザーは、バイオ後続品でのDB調査を推進する一方、臨床試験で先行バイオ医薬品との安全性・有効性の同等性を検証できているとの考え方から、検討すべき項目がある場合のみ、追加の安全性監視活動を行うべきとの立場を強調する。

今後、同社が販売するバイオ後続品では、安全性エビデンスを示しながら、安全性監視活動でDBを用いるかどうかの方法論のみならず、製販後調査を実施する必要性も含め、PMDAとの協議を行っていくとしている。

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