政府は21日、「経済財政運営と改革の基本方針2019」(骨太の方針)を閣議決定した。診療報酬・医薬品等の改革について、調剤報酬に言及。地域のかかりつけ機能に応じた評価や対物業務から対人業務への構造転換の推進に伴う適正化を、2020年度診療報酬改定に向け検討し、調剤料などの技術料も意義の検証を行って適正評価に向けた検討を行うとし、原案同様の内容が明記されたが、健康サポート薬局の取り組みについては「一般用医薬品等の普及などによりセルフメディケーションを進めていく中で」の表現を盛り込み、OTC薬の普及と健康サポート薬局の推進を一体的に位置づけた。
骨太方針の中で、診療報酬・医薬品等の改革のうち調剤報酬は、18年度診療報酬改定の影響検証やかかりつけ機能のあり方を検討しつつ、地域のかかりつけ機能に応じた適切な評価や対物業務から対人業務への構造的転換の推進に伴う適正化など、20年度診療報酬改定に向け検討すると明記。調剤料などの技術料の意義を検証し、適正な評価に向けた検討を行うとした。そのほか、高齢者の多剤投与対策、生活習慣病治療薬の費用面も含めた適正処方のあり方について引き続き検討を進めることも盛り込んだ。
また、健康増進への取り組みについては、原案では「健康サポート薬局の効果を検証し、取り組みを進める」としていたが、「一般用医薬品等の普及などによりセルフメディケーションを進めていく中で」を追記し、セルフメディケーション推進の一環として健康サポート薬局の取り組みを位置づけた。
薬価については、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」に基づき、国民負担軽減と医療の質向上に取り組む観点から、前回の薬価制度の抜本改革で引き続き検討するとされた課題に結論を得て、着実に改革を推進するとした。
医薬品等については、AIを活用した医療機器開発や医薬品開発の促進に資する薬事規制体制の整備、合理化を盛り込んだほか、バイオ医薬品の研究開発を推進すると共に、バイオシミラーについても有効性・安全性への理解を得ながら研究開発・普及を推進すると明記した。
医療提供体制の効率化については、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の普及を進めるとしたほか、オンラインでの服薬指導を含めた医療の充実を進めると記載。オンライン服薬指導の実施時の適切なルールを検討すると記載した。