運営評議会でPMDAは、2018年度の医薬品副作用報告が企業から6万2110件、医薬関係者から9931件寄せられたことを報告。また、患者・家族からウェブサイト等を通じて報告を受け付ける制度を3月から本格的に開始したことなどを説明した。
泉祐子委員(全国薬害被害者団体連絡協議会世話人)は「医療者からの副作用報告がこんなに少なくていいのか」と疑問を投げかけ、「報告様式が難しく、多忙な医師は書けないと思う」と指摘した。
PMDAの森口裕安全管理監は、医薬関係者からの報告について「前年度よりも増加したが、もっと件数があるべきだ。日本医療研究開発機構(AMED)の研究班で、報告件数をどう増やして活用するかについて研究しており、年度内に結果を周知したい」と応じた。
また、医療機関報告数の内訳に言及。「薬剤師が約83%、医師が約10%であり、薬局に対して新設された地域支援体制加算で副作用報告体制が評価されたことにより、薬剤師からの報告数が増え、比率が上がった」と述べた。
これに対し、山本信夫委員(日本薬剤師会会長)は「外来患者の7割が院外処方箋で調剤されている。当然、街の薬局にかかる人が多い。医師の報告数が少ない分を薬剤師がフォローし、安全を担保している」と強調しつつ、「薬剤師の役割として報告しているのであって、(調剤報酬の)点数が付いたから報告しているというのは受け入れ難い」と強い不快感を示した。
一方、医師からの報告数が少ない現状について、高橋政代委員(理化学研究所生命機能科学研究センター網膜再生医療研究開発プロジェクトリーダー)は、「診療報酬点数が関係するところもあると思う。医師が報告するのであれば、何らかの手当が必要」との考えを示したほか、木平健治委員(日本病院薬剤師会会長)は「病棟では医師と薬剤師が協働して入院患者の薬物療法を管理する体制を構築しているため、医師が見ていないということには当たらない部分も多い」と指摘した。