日本病院薬剤師会の木平健治会長は15日、都内で開いた通常総会で、「病院診療所薬剤師業務のあり方に関する検討会」を新設したことを報告した。厚生労働省が薬剤師以外の者が行うことができる業務の基本的な考え方を整理した4月2日付の通知「調剤業務のあり方について」が発出されたことを踏まえ、▽調剤の概念▽補助者(薬剤助手等)の業務範囲▽補助者に必要な研修の実施――などについて検討し、夏頃をメドに結論を得る。
同検討会は、委員長の眞野成康氏(医療政策部長)をはじめ、荒木隆一委員(地域医療委員会委員長)、清水孝子委員(診療所委員会委員長)、舟越亮寛委員(医療安全対策委員会委員長)、室井延之委員(薬剤業務委員会委員長)で構成する。
主に、調剤の概念や補助者(薬剤助手等)の業務範囲、補助者に必要な研修の実施について検討する。常務理事会の構成員も可能な限り検討会に出席することとし、日病薬としての考え方をまとめる。
木平会長は、4月2日付の厚労省通知で、調剤に最終的な責任を持つ薬剤師の指示で行える具体的な業務について、「有識者の意見を聞きつつ、さらに整理を行い、別途通知する」としていることに言及。「日病薬として、どのような考えで対応していくか、共通認識を持っておく必要がある」と述べ、検討会設置の背景を説明した。
また総会では、医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフティングに関する議論が進む中、代議員からは新たに設置した検討会への意見が相次いだ。大阪府の西原雅美代議員は、具体的なとりまとめの時期について質問。東京都の濱敏弘代議員は、「調剤の概念は時代と共に変化するものと思っている」とし、「次世代を担う若い薬剤師が励みになるような議論、とりまとめをお願いしたい」と要望した。
{卉(上)+木(下)}原健専務理事は、厚労省通知において調剤に該当しない行為として、調剤済みの薬剤を院内の配薬カート等に入れることが明記されていることを指摘。「病院業務についても一部触れていることから、日病薬としての考え方を示す必要がある」とし、改めて検討会設置の意義を強調。「夏頃をメドに結論を出し、会員に対しても何らかの形で示したい」との考えを示した。