324のがん関連遺伝子を網羅的に解析するシステム
中外製薬株式会社は6月3日、次世代シークエンサーを用いた遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne(R)CDx がんゲノムプロファイル」の発売を開始したと発表した。あわせて同日より、株式会社エスアールエルにより検査の受託が開始された。
同プログラムは、米ファウンデーション・メディシン社により開発された、次世代シークエンサーを用いた網羅的がん関連遺伝子解析システム。患者の固形がん組織から得られたDNAを用いて、324の遺伝子における置換、挿入、欠失、コピー数異常および再編成などの変異等の検出および解析、ならびにバイオマーカーとして、マイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability:MSI)の判定や、腫瘍の遺伝子変異量(Tumor Mutational Burden:TMB)の算出を行う。
国内初のがん遺伝子パネル検査、コンパニオン診断にも
同プログラムは、固形がんに対する遺伝子変異解析プログラム(がんゲノムプロファイリング検査用)および体細胞遺伝子変異解析プログラム(抗悪性腫瘍薬適応判定用)の2つの機能をあわせ持つ、国内で初めてのがん遺伝子パネル検査として、昨年12月27日に厚生労働省より製造販売承認を取得した。
したがって同プログラムは、非小細胞肺がんや悪性黒色腫、乳がんなどのがん腫における国内既承認の複数の分子標的薬のコンパニオン診断として、適応判定の補助に用いることも可能だ。中外製薬は、網羅的ゲノムプロファイリングの普及を通じ、がん領域におけるより高度な個別化医療を実現し、患者さんおよび医療関係者に貢献できるよう取り組んでいくとしている。
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・中外製薬株式会社 ニュースリリース