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【安全対策調査会】メトホルミンの添付文書改訂へ−重度腎機能障害のみ禁忌

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2019年06月03日 PM12:45

薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会の安全対策調査会は5月31日、大日本住友製薬の2型糖尿病治療剤「メトグルコ錠」などメトホルミン含有製剤について、添付文書の「使用上の注意」を改訂することを了承した。国内外の診療ガイドラインの記載状況などを踏まえ、重度の腎機能障害患者のみ「禁忌」とするほか、経口摂取が困難な場合の脱水リスクや過度のアルコール摂取に対する注意などを追記する。厚生労働省は、今月中に製造販売業者に改訂を指示する通知を発出したい考え。

改訂の対象は、2型糖尿病治療剤である1日最高用量を2250mgとする「」(販売名:メトグルコ錠250mg、同500mg=)、最高投与量を750mgとする低投与量製剤のメトホルミン塩酸塩(グリコラン錠250mg=日本新薬)のほか、メトホルミン塩酸塩を含有する配合剤4品目。

これらメトホルミン含有製剤の添付文書では、腎機能障害患者について、メトグルコなど高投与量製剤では中等度以上の患者、グリコランなど低投与量製剤では軽度から重度の患者を禁忌としているほか、嘔吐や意識障害を起こす乳酸アシドーシスに関する注意喚起を記載している。

ただ、国内外の複数の診療ガイドラインで、軽度から中等度までの腎機能障害患者に対するメトホルミン投与を可能としていることなどを踏まえ、添付文書の見直しが必要と判断した。

その結果、腎臓内の糸球体が老廃物を濾過できる能力を示す、推算糸球体ろ過量(eGFR)が30未満の「重度の腎機能患者」のみ禁忌とするほか、経口摂取が困難な場合の脱水リスクや過度のアルコール摂取には特に注意が必要なことを追加することとした。また、乳酸アシドーシスに関する注意の整理、eGFRに基づいて腎機能障害患者の1日最高用量の目安を設定することも行う。

■抗コリン剤の改訂も了承

一方、この日の安全対策調査会では、神経伝達物質のアセチルコリンの作用を抑えて消化管の運動亢進に伴う痛みや痙れんなどを抑制する「」の添付文書の改訂も了承した。対象となる医薬品は、エチゾラムやニトラゼパムなど102品目。

「禁忌」としている緑内障を「閉塞隅角緑内障」に改訂するほか、「慎重投与」の項に「開放隅角緑内障の患者」を追記し、狭隅角緑内障を「閉塞隅角緑内障」に改める。

現在、多数の抗コリン剤の添付文書で、緑内障を「禁忌」としている。ただ、日本眼科学会は緑内障のうち、抗コリン作用によって安全性に懸念が生じるのは「閉塞隅角緑内障」のみとし、開放隅角緑内障患者にも治療機会を提供するため、添付文書の禁忌に記載している緑内障を閉塞隅角緑内障に変更することを厚労省に要望。また、狭隅角緑内障の疾患名を「不適切」とし、閉塞隅角緑内障に変更することも求めていた。

これらを踏まえ、国内外のガイドラインの記載状況を考慮した結果、要望に沿って改訂することが妥当と判断した。

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