基礎インスリンとGLP-1受容体作動薬の配合剤
サノフィ株式会社は5月28日、開発中の iGlarLixi(インスリン グラルギン/リキシセナチド配合剤)について、経口血糖降下薬でコントロール不十分な2型糖尿病患者を対象に、インスリン グラルギンおよびリキシセナチドの単剤投与とそれぞれ比較した第3相LixiLan JP-O1試験とLixiLan JP-O2試験の結果を発表した。
日本糖尿病学会の糖尿病治療ガイドおよび米国糖尿病学会、欧州糖尿病学会の2型糖尿病治療に対する合同コンセンサスステートメントなどでは、血糖コントロール不十分な2型糖尿病患者に対し、基礎インスリンとGLP-1受容体作動薬の併用が推奨のひとつとされているが、いずれも注射剤であることからこの併用には複数回の注射が必要となる。
iGlarLixi は、日本での治療実態を考慮して、基礎インスリンであるインスリン グラルギンとGLP-1受容体作動薬であるリキシセナチドを1単位:1µg配合(インスリン グラルギン100単位/mL・リキシセナチド100μg/mL配合注射剤)として開発された1日1回皮下投与製剤。両剤の併用により、それぞれの副作用を最小限に抑えつつ、空腹時血糖に加えて食後高血糖の改善にもつながることが示唆されている。
HbA1c 変化量について、両試験とも良好な結果
LixiLan JP-O1試験とLixiLan JP-O2試験はいずれも、経口血糖降下薬で十分な血糖コントロールが得られないインスリン未治療の2型糖尿病患者を対象に、iGlarLixiの有効性と安全性を評価することを目的とした、非盲検、ランダム化、実薬対照、多施設共同第3相試験。LixiLan JP-O1試験は321名を対象にリキシセナチド(Lixi)と比較し、投与期間は52週だった。LixiLan JP-O2試験では521名を対象にインスリン グラルギン(iGlar)と比較し、投与期間は26週だった。各試験の主要評価項目はいずれも、ベースラインから投与26週後までのHbA1c変化量とした。
各試験の結果、ベースラインから投与26週後までのHbA1c変化量について、LixiLan JP-O1試験では、iGlarLixi投与群が−1.58%、Lixi 群が−0.51%、iGlarLixi群とLixi群との群間差は−1.07%(95%信頼区間: −1.251%,−0.889%)であり、両群間に有意差が認められた(p<0.0001)。またLixiLan JP-O2試験では、iGlarLixi投与群が−1.40%、iGlar群が−0.76%、iGlarLixi群とiGlar群との群間差は−0.63%(95%信頼区 間:−0.749%,−0.514%)であり、両群間に有意差が認められた(p<0.0001)。iGlarLixi投与群の安全性プロファイルは、全般的にiGlarおよびLixiの各配合成分の既知の安全性プロファイルを反映していた。「これらの結果により、同剤が、経口血糖降下薬でコントロール不十分な2型糖尿病患者の新たな治療に貢献しうることが示唆された」と、同社は述べている。
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