マヴィレットを筆頭にヒュミラなど主力製品が売上増に寄与
アッヴィ合同会社は5月22日に「アッヴィ ビジネスアップデート2019」と題して社長会見を開催。社長のジェームス・フェリシアーノ氏と開発本部クリニカルサイエンスアンドオペレーションズ統轄部 統括部長の西庄功一氏が講演した。
(左)からジェームス・フェリシアーノ氏、
西庄功一氏
同社の2018年売上高は前年比104%増の1726億円だった。増収の要因として、フェリシアーノ氏はマヴィレット(一般名:グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル)が2018年医家向け製品として売上高がトップとなったことや、主力製品であるヒュミラ(一般名:アダリムマブ (遺伝子組換え))、シナジス(一般名:パリビズマブ(遺伝子組換え)、デュオドーパ(一般名:レボドパ・カルビドパ水和物)なども売上増に寄与したことを挙げた。
同社は、自己免疫疾患領域における新薬上市を控えており、オンコロジー領域の組織強化にも取り組む構えだ。これに伴い、社員数を151人増員し、前年比14.5%増としたことも発表。今期も引き続き増員予定としている。
オンコロジー領域を4つ目の成長エンジンへ、引き続きADCの開発に注力
同社は、2018年11月に再発・難治性の慢性リンパ性白血病治療薬としてベネトクラクスを日本で承認申請した。同剤が承認されれば、同社としては初のオンコロジー領域における薬剤となる。フェリシアーノ氏はオンコロジー領域について、「イミュノロジー事業本部、スペシャルティ事業本部、肝炎事業本部に次ぐ4つ目の成長エンジンとなる事業本部として基盤を築いていきたい」と述べた。
同社で進行中の国内臨床試験数は69件(2019年4月現在)で、そのうち免疫領域が31件、オンコロジー領域は23件だ。オンコロジー領域では、ベネトクラクス(対象:多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病)、ベリパリブ(対象:非小細胞肺がん、卵巣がん)、rovalpituzumab tesirine(対象:小細胞肺がん)で第3相試験を進めている。
抗体-薬物複合体(ADC)の開発については、西庄氏によると、現在、オンコロジー領域で固形がんを中心に8剤を開発中。免疫疾患領域においても関節リウマチを対象に1剤の開発が進んでいるという。ADCの開発は、2018年に引き続き今期も注力していくとし、「パイプラインの中心となることを期待している」とコメントした。
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