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【薬事日報調査】薬大入学者、約4割が定員割れ-13年度ピークに減少続く

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2019年05月27日 AM11:45

全国の薬科大学・薬学部の2019年度入学者について、約4割の大学で定員を割り込んでいることが、薬事日報の調査で明らかになった。今年度の入学定員数は過去最多となった昨年度より若干減少。千葉大学で10人の定員増があったものの、4校で定員削減が行われ、昨年度に比べ105人減の1万2835人と適正化が進んでいる。入学者数は、初年度に学部入学者数が確定しない北海道大学、東京大学、金沢大学の3校を除く72校で定員1万2600人(昨年度1万2705人)に対し、1万2022人(1万2320人)と300人ほど減少した。いわき明星大学は「医療創生大学」に名称変更し、大阪大学は薬科学科(4年制、55人)の募集を停止。全て6年制の薬学科に統合した。千葉科学大学は生命薬科学科(35人)の募集を停止したことから、その分の学部定員が削減された。

■定員削減進み適正化加速

昨年度は、山陽小野田市立山口東京理科大学が薬学部を新設し、わが国の薬科大学・薬学部は過去最多の75校となったことから、定員も増加し1万2940人となった。

しかし、今年度は千葉大学で6年制定員を40人から50人に増員し、学部定員を90人とした一方、青森大学、千葉科学大学、北陸大学、九州保健福祉大学の4校で、それぞれ20人、35人、20人、40人の定員削減が実施され、定員は1万2835人と昨年度に比べ105人減となった。

4年制併設の千葉科学大では4年制の生命薬科学科(定員35人)の募集を停止し、学部定員155人を120人に削減。4年制併設の九州保健福祉大(6年制140人、4年制40人)では6年制定員を40人削減して100人とした。

入学者数については、初年度に学部入学者が確定しない北大、東大、金沢大の3校を除く72校で定員1万2600人に対して1万2022人が入学した。定員に対する入学者数の割合は95.4%(18年度97.0%、17年度101.7%)と低下傾向にあり、100%を下回ったのは29校と約4割に上ることが明らかになった。最近の入学者数の動向を見ると13年度の1万3854人をピークに減少が続いている。

大学別でもバラツキが見られる傾向が続いている。北大、東大、金沢大を除く72校での状況では、入学者数が定員の110%以上であったのは7校(昨年度9校)、このうち120%を超えたのは1校(同2校)あった。最近数年で入学者数の適正化が進みつつあることがうかがえる。

ただ、入学者数が定員の80%以下の大学は14校(18年度10校、17年度11校)あり、増加傾向にある。その中で60%以下は6校(同8校、同4校)、50%以下も4校あった。

6年制、4年制の別で見ると、6年制学科の定員は1万1487人で昨年度に比べて15人減少した。入学制度が異なり、学部・学科別入学者が確定しない6校を除く69校では、6年制学科の定員1万1329人に対して入学者数は1万0741人であった。

4年制学科は阪大、千葉科学大での募集停止により、定員は90人減の1348人となった。4年制学科の入学状況は、4年制を併設する28校のうち入試制度の関係で学部・学科別入学者数が確定しない6校を除く28校では、定員1021人に対し1018人が入学した。

 

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